かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

「群馬に仏教がやってきた?」展

2009年11月07日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
 昨日記したように、5日に高崎市の観音塚考古資料館で開催されている「群馬に仏教がやってきた?」展を見学してきました。

 実は、長者ヶ原廃寺跡と同時期の山岳寺院である黒熊中西遺跡に昔から注目していて色々と調べていたこともあって、どちらかというと同じ日に訪れた多胡碑記念館の「多胡郡 古代寺院の素顔-黒熊中西遺跡-」展の見学を主に考えていたのですが、「群馬に仏教~」展の方が深く印象に残りました。私が今年見学した特別展覧会の中で一番でした。

 ※だからといって、「古代寺院の~」展がよくなかったというわけではありません。報告書に掲載
  されている情報を手際よく整理 して展示してあったので、遺跡についての理解をより深めること
  ができました。


 歴史系展示は、あるテーマに沿った展示品を並べ、それに解説を付すだけのものがほとんどです。これらをみても、展示を企画した人が何を考え、何が分かり、それを見学する人に何とか伝えたいという思いがなかなか分からないことがほとんどです。

 しかし、「群馬に仏教~」展は、企画された方が何を疑問に思い、それを解くためにどのようなことを調べ、その結果何が分かったのかということがよく整理されたよい展示だったと思います。
 特に展示の最後の「渡来系集団の『私的信仰』はないのか?」はそれを象徴するコーナーで、あまり一般的な展示とはいえないとは思いますが、一見の価値があると思います。

 最寄り駅は信越本線で高崎駅から2駅目の群馬八幡駅で、駅から約2kmと北関東の博物館としては珍しく駅から歩いて行けるところにあります(博物館の分類については、考古学のおやつの「たぬぽり北関東」を参照してください)。

 近くには観音塚古墳があり、石室の見学もできます。


観音塚考古資料館の外観


観音塚古墳の石室