今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

忘却も生きる知恵

2011-10-12 10:05:36 | 健康

最近の報道で、我が事のように心が痛み、聞くに忍びないものがあります。
それは、福島県の18歳未満の子が、甲状腺がんの検診のための受診をすることになったニュース。

何と三十数万人。
驚くべき数ですが、不安におびえるのは、その懸念が多少でもある子供たちだけではありません。
私と同じように子供や孫の健やかな成長を願うご両親、ご祖父母さま、その他周りのご家族の方達の不安は如何ばかりでしょう。
何一つ責任を負わない一般市民が、未曽有の災害が事の発端とはいえ、明きらかな人災で、今後長年不安に怯えて、暮らさなければならないなんて、あまりに理不尽過ぎます。

政局争いばかりしてきた政治家に、この人達や、家族を失った被災地の方々の慟哭や辛さが、理解できているとはとても思えない。
ゆえに、私は一層やりきれない気持ちになります。

福島県民の人達、特に未来のある若者や子供達は、背負わなくてもいい十字架を背負わされ、今後も生きていかなければならないのでしょうか。
小さなお子さんが、七夕の日に、短冊に「放射能でガンになりませんように」と書きとめたことが記事に載っていました。
天真爛漫な子どもたちに、、幼い時から、このような心配をさせる世の中のあり様にも、多少疑問を感じました。

国が原発事故が起きる前に、防止対策をとるべきことでしたが、起きてしまった以上、その人体や自然界への影響を最小限に食い止めることが、重要課題であることは言うまでもありません。
しかしマスコミの情報過多により、被災者の気持ちを更に追い込んでいるようにも感じます。
今の世の中が、あらゆる報道、情報、噂、風評が渦巻く社会である以上、現代人は、その情報を選別して生きていくしかないのかもしれません。

しかしあえて勇気を出し、私の意見を申し上げるなら、忘却のかなたに追いやって、出来るだけ心にとめない暮らし方もあってよいのではないかと。
普通の方が、このような事を云えば、被災地の方々の憤りをかうかもしれません。

私達の負った深い傷が、何も理解できていない、と。

確かにその通りですね~

でも、私は広島の被爆者だから、自分の体験から、勇気を奮い立たせて、お話しさせていただきます。

私達家族は、爆心地から3キロの地点で被爆しました。
父は、たまたま前日まで出張だったために、出勤を三十分遅らせても良い日でした。
その奇跡的な幸運により、命を取り留めることができたのです。

しかし当日、父は、会社の状況を見定めるため、焼け野原の市街地をくぐり抜け、爆心地のすぐ近くの会社に赴いています。
会社の同僚、社員は、ほぼ全滅だったようです。

しかしその父が、81歳まで生き延びることができました。
病気を患い寝込んだのは数年に過ぎません。

母も、決して丈夫な人ではありませんでしたが、気丈で凛とした生き方を76歳まで全うした人です。
最後の数年間は認知症を患い、私は介護の暮らしを致しましたが。

最近新聞で読んだ記事によると、広島の被爆線量は、福島とは比較にならないほど、強かったとのこと。

そのような悲惨な経験をした我が家には、必ずしも自慢できないことながら、際立った特徴があります。
家族全員、被爆者である意識をほとんど持たなかったこと。
ですからむろん、話題にもなりませんでした。
思春期になり、私達がたまに興味を示した時以外は、両親は、その話に触れることは一切ありませんでした。
親のそのような姿勢のお陰で、私は子供時代も、成人になってからも、いらざる不安におびえることもなく、平安な日々を送ることができたのです。

父は、神経質で、几帳面な勉強家でした。
被爆の影響を理解していないはずはありません。
しかし心配しても如何様にもならないことと、あきらめ封印したのでしょう。

極端な話で、皆さんに呆れられるかもしれませんが、私は幼いの頃から持っていた被爆者手帳も、長い間更新せず、未使用のまま。
今の我が家に転居して、数年後に初めて更新し、その恩恵も受け始めました。
それまでは、無料のはずの医療費も、都内、市内の交通費も払い続けて暮らした、欲のないおおらかものです。

でも私はこれで良かったと、しみじみ思います。
両親の配慮で、被爆の心配は一切しないで、のんきに暮らし、今日まで生きながらえることができたのですから。
今のような、時にヒステリックに思えるような情報の氾濫もありませんでしたから。
私は、単なる不幸中の幸に恵まれた人間に過ぎないかもしれません。

しかし、あまりに辛いことは、忘却の彼方に押しやる行為も、人間の精神的安定には、時に必要かと・・・・・・
とは言え、今の時代では、それは非常に困難な事であることは、私も十分承知しています。
私の日々の暮らしも、氾濫する情報に耳を傾けながら、時に不安を感じながら、その情報を選別しながら暮らしているのが現状です。

けれども、せめて幼い子供達には、いらざる不安におびえさせないための、周りの人や社会の配慮があって良いのではと、しみじみ思うこの頃です。

子供達の甲状腺がん検診も、一般の人達と変わりないさりげない健康チェックとして受け止めらるる位の明るい雰囲気になってほしいと願います。

親の態度いかんで、子供達の心の負担が重くも軽くもなることを、私の経験からお話しさせていただきました。
今回の被災に限らず、すべてのことにおいて通用する、親の態度ではないでしょうか。

今日も、三越のチェルシーガーデンのガーデナーHさんが植え付けて下さった草花の一部のご紹介をさせていただきます。
数年かけて、理想のイングリッシュガーデンの完成を目指し、予算に限りがありますので、ぼつぼつ頑張るつもりです。
宜しければ、ご参考になさってください。

                              

   

 フジバカマ                            ダールベルグデージー

  

 カレックス                                 カラミンサ

 アジュガ

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