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人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

岩城宏之『フィルハーモニーの風景』(岩波新書)

2009-07-17 05:11:10 | 読書
昨日に続き、まとめて岩城宏之『フィルハーモニーの風景』を取り上げよう。同じ
岩波新書だけに編集に「一貫性」がある。5章から成り立っているが、ウィーン・
フィル、ベルリン・フィル、ステージ・マネージャーなどについて随筆されてい
る。

ウィーン・フィルとカール・ベーム、ウィーン・フィルのオーディションなど裏側の
実話が興味深い。


ベルリン・フィルの裏方バルトローク氏について
  すべてが終わり、裏口から帰る。楽屋を出るところから、
  「はい、右に曲がります」
  「階段が二段あります。降りますからご注意!」
  「もう一段右に曲がります。すぐにエレベーターです。止まりましょう」
  「肩を冷やさないようにコートを羽織って下さい。明日も音楽会です」
  毎晩同じことをやる。指揮し終わった人間がどんなに虚脱状態にあるかを、こ
 れほど認識している裏方を他に知らない。


西暦と元号について
  NHK交響楽団と世界一周の演奏旅行をしたのは、1960年だった。この年が昭
 和35年であるのは知っている。しかしそれ以後は西暦だけで暮らしてきた。・・・
 ぼくの芸大入試は昭和26年、日比谷公会堂でN響を指揮してデビューしたのは昭
 和31年である。昭和35年以前のぼくの歴史には、西暦が存在しないのだ。






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