goo blog サービス終了のお知らせ 

人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

文部省/西田亮介編『民主主義』(幻冬舎新書)

2016-09-04 05:00:00 | 読書

今年、7月にKaBoS書店で手に取り購入した、文部省著西田亮介編
『民主主義』(幻冬舎新書)を読む。

p245の「教科書『民主主義』が問う価値--解説に代えて」によれば、
本書は、上巻が昭和23(1948)年10月、下巻が昭和24(1949)年8
月の刊行の抜粋・再編集だ。サブタイトルは、「<1948-53>中学・
高校社会科教科書エッセンス復刻版」となっている。

執筆陣は、東京大学教授で法哲学者の尾高朝雄(1899-1956)が
中心になって編纂したもので、東大教授の大河内一男(1905-1984)
なども参加していたが、文部省著発行であることがおもしろい。


尾高朝雄さんといえば、大学卒業時、Tさんから氏の名著『法の究極
に在るもの』を頂戴し、読んだ。まことに懐かしい。その本は、今でも
私の書棚にある。


本書、『民主主義』の目次を見てみよう。
第1章 民主主義の本質
第2章 民主主義の発達
第3章 選挙権
第4章 多数決
第5章 目ざめた有権者
第6章 社会生活における民主主義
第7章 日本における民主主義の歴史
第8章 日本国憲法に現れた民主主義
第10章 民主主義のもたらすもの
補章

本書は、上記の目次に従って、大変バランスよく書かれている。「エ
ッセンス」でないものも出版されている(→こちら)が、新書版でも十
分だろう。

例えば、山川出版社の高校教科書『詳説 政治・経済』(2009年発
行)でも、第1章が「民主政治の基本原則と日本国憲法」にあてられ
ている(p6~66)が、本書はもっと根本的なものを教えるものだと言
えるかもしれない。

高校生には是非一読をお勧めしたい。


「第5章 目ざめた有権者」は、

○世論とは何か、なぜ大切か
○にせものの世論が作られることもある
○プロパガンダは有権者の判断力を失わせる
○世の中に不平を持っている層がねらわれる
○宣伝(プロパガンダ)で国民をあざむく五つの方法
○新聞や雑誌は広告でまかなわれている
○報道を科学的に考察する習慣をつける

から書かれているが、ニュース(--それ自体、ある種の「ニーズ」
(需要)から報道機関が選び、一定の切り口から報道している。オー
バーに言えば、一種の「情報操作」?)を時々は立ち止まって考えて
みたいものだ。



文部省著 西田亮介編『民主主義』(幻冬舎新書)




尾高朝雄『法の究極に在るもの(新版)』(有斐閣)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 8/31 虹ヶ丘までウォーキン... | トップ | 9/1 OB練習『日本の笛』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事