年末に部屋を整理したら、まだブログで取り上げていない新書がたく
さん出てきた。「ひと言コメント」で整理しておこう。
<岩波新書>
徳善義和『マルティン・ルター』(H24/2012)★★★★
昨年は「宗教改革500年」だった。本書によって、ルターがどんな人
物だったかが浮かび上がる。教会に集まって人々が歌う(ドイツ語で
あって、ラテン語でない)讃美歌を始めたのがルターだとは知らなか
った。
駒村康平『日本の年金』(H26/2014)★★★★
「日本の年金」が新書1冊に整理されていて、勉強になる。駒村先生
は、中大卒、慶應大学院、現慶應経済教授。
服部龍二『外交ドキュメント 歴史認識』(H27/2015)★★★★
服部先生(中大総合政策学部教授)の本はどれもおもしろい。主とし
て、昭和57(1982)年から今日までの「歴史認識」問題が「ドキュメ
ント」として整理されている。
伊東光晴『ガルブレイス』(H28/2016)★★★★
今は「近代経済学」という言葉は死語だろう。伊東光晴先生は、都留
重人に近いと言おうか、敢えて言えば「近代経済学者」左派と言える
のかもしれない。その伊東先生が90歳近くにして書いたものだ。
ちなみにガルブレイスは、アメリカ経済学会の会長を務めたが、ノー
ベル経済学賞は受賞していない。私は、学生時代、ガルブレイスの
『ゆたかな社会』を読んだが・・・・・・。
赤江達也『矢内原忠雄』(H29/2017)★★★
矢内原忠雄(1893-1961)の生涯を書いたものだ。矢内原忠雄は
どんな人だったのかしらん。なんとなく厳格で頑固だったイメージが
あるのだが・・・・・・。無協会派のクリスチャンだったことは間違いな
いことだけれど。
日高六郎『1960年5月19日』(S35/1960)★★
「新安保条約が強行採決された日」の前後をまとめたものと言える
だろう。「勉強」と思って読んだが、当時読んでも、今読んでも、片面
的というか特定の立場と言えるだろう。なぜか絶版にもなっていない。
<ちくま新書>
茶谷誠一『宮中からみる日本近代史』(H12/2014)★★★★★
これはおもしろい!戦前は、「宮中」という機関があった。「軍部」か
らは、「君側の奸」などと呼ばれたものだ。本書は文字どおり「宮中」
から見た日本近代史である。ちくま新書にはいい編集者がいる?
細谷雄一『安保論争』(H28/2016)★★★★
文字どおり「安保論争」を整理したものと言えるかしらん。著者は慶
應法学部教授、現在46歳。40代はどの分野でも若い時の努力が
「花開く時代」だ。本書にはマックス・ウェーバーや高坂正尭が出てく
る。
<インターナショナル新書>
林 望『役に立たない読書』(H29/2017)*★★★
タイトルに惹かれて購入。「リンボウ先生の読書法」というタイトルで
もよかったかしらん。随所に筆者の(かなりの)コダワリが出てくる。
--ベストセラーは読まない。本は捨てないほうがよい。随時読む、
同時に何冊も読む。スローリーディングのすすめ。「読書会」は高級
な暇つぶし(これは編集者が付けた小見出しだろう。本文を読むと、
著者は「読書会」というものをまったく評価していない[笑])。
<文春新書>
浅海 保『変節と愛国』(H29/2017)*★★★★
「外交官・牛場信彦(1909-1984)の生涯」を追ったもので、おもし
ろい。私の学生時代、牛場は外交で活躍しており、テレビに登場す
ることも多かったと記憶するが、戦前は「枢軸派」だったとはまった
く知らなかった。
あらためて「★」を付けてみたが、「★」の数はその人の「問題意識」と
相関関係にあると言えるかしらん。
整理中
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