川天使空間

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ワクチンの効果

2009年11月21日 05時41分49秒 | 小児科
「よーし、がんばったね。これで新型にはかからないね」
と新型インフルエンザワクチンを受けた子をほめるお母さん。
その傍らで私は、かかったらごめんなさい、と心の中でつぶやいている。
インフルエンザワクチンの効果、それほどのものではないのだ。
特に子どもは免疫がつきにくいから二回接種になっているわけで。

麻疹ワクチンはかなり効果が高い。
一度受ければ予防効果があらわれ、効果が薄れた頃に二度目を受ければほぼ感染を防ぐことができる。
もしかかっても軽症になるはず。
水痘ワクチンは感染はするけれど、かなり軽症ですむ。痕も残りにくい。

けれどインフルエンザワクチンは、受けてもかかることが多い。
インフルエンザウィルスはどんどんその形を変えていくのが特徴。
だから毎年会議が開かれ「今年のA型はこの株とこの株、B型はこの株」というように、予想された株をもとにワクチンが生産される。大方のところでは当たっているけれど、ばっちり、ではないから必ず流行して、ワクチンを受けてもかかることに。

たしかにワクチンを受けるとある程度軽くすむ印象はある。
でも、脳症への予防効果は証明されていない。
それならなぜこんなにワクチンを薦めるのか。
それは「集団予防」のため。

効果は低いとはいえ、多くの集団が免疫を上げると流行が阻止される。
インフルエンザワクチンが学校の定期接種だった昔は、大流行がなかった。
定期接種から外れてインフルエンザワクチンを受ける人が減ったとたん毎年大きな流行に。
高齢者の肺炎や子どもの脳症が多いこともあってワクチンが再度脚光を浴び。
高齢者への補助もあって、最近は多くの人がワクチンを受けるようになった。
集団の免疫があがったせいで、ここ数年は大流行していなかった。

ところが、この新型インフルエンザにはほとんどの人が免疫なし。
ただしAソ連型と一部構造が似ているせいか、年長者はかかりにくい模様。
若く活動的な集団から流行がはじまり、しだいに下の年齢集団へ移ってきている。

子どもの脳症は例年のインフルエンザと同じレベルで発生中。
新型インフルエンザの特徴として感染初期の呼吸障害がある。
迅速診断で診断される前後の早い時期から呼吸が苦しくなり、一気に進行。
各地で人工呼吸管理をする子どもが増えている。

このまま行けば子どもの感染者は増え続け、脳症や呼吸不全の死者が増える。
新型ワクチンは季節性ワクチンより選択的に効くはずで個人予防効果も多少あるかもだけれど、なにより集団の免疫を高めて流行を早く沈静化させる効果が期待される。

と、信じつつ、ワクチンを打ちまくる毎日。
ちょっと減ったかと思った患者さんがまた増えて、下新城小学校からは「休校になりました」の連絡もあった。
毎日がなんだか戦いみたいな気がするのは気のせいか。

作品の手直しをはじめた。
ひでじぃさまの本を読みながらだとその差がきつい。
ちょっとずつ、創作も同時進行でやっていけたらいいな。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)
コメント (2)
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