川天使空間

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のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録 太田康介 著 飛鳥新社

2012年02月03日 05時27分18秒 | 創作・本の紹介
まゆゆさんこと、加藤まゆみさまから回覧されてきたご本。
童話書き仲間で、以前もこうやって回覧したことはあるけれど、このご本の内容は格段に重い。
しっかり目を見ひらいて読んだ。

3月30日から3ヶ月間の、動物たちを追っている。
家を守ろうと、離れない犬たち。
津波で破壊された町を、とぼとぼと歩く犬、猫。

立派な犬小屋の中で、冷たくなっていた犬。
池の腐った魚を食べて病死した猫。
餌がなく、次々に倒れていく牛たち。
殺処分されてしまった豚……。

著者たちは、のこされた動物たちを保護し、飼い主のもとへ返し、里親を捜す。
たった一匹でも、その行為の重さは計り知れない。

昨日、療育センターの子どもたちに本読みをしてきた。
楽しい絵本2冊のあいだに、この本をさっと紹介した。
写真を見せて、内容を話し、子どもたちに聞いてみた。
「どう思う?」
 「かわいそう」
 「かわいそうだね」
みんなが一様に、かわいそうだと頷く。
「どうすれば良かったのかな。震災の被害を受けた宮城とか岩手の犬や猫たちは、こんなじゃなかった」
中二の女の子にきいてみた。
 「……わからない」
「そうだよね。わからないよね。でも、こんなこと、二度とないようにしなきゃいけないよね。原発のこと、考えないとね」

そんな話をしていたとき、さゆちゃんが、ぽつりぽつりと話しはじめた。
彼女は高校生で言葉が不自由だけど、ほんとうに心のきれいな子。
「こっちのへやに、おんなで、あっちが、おとこで、みんなで、ごはんたべた……」
最初はなんのことかわからなかった。

はっと気づいた。
地震の時、停電が続いて暖房もなかったとき、センターの子どもたちがどうやって過ごしたかを話してくれたのだった。
お部屋から出てホールで身を寄せ合い暖を取り、食事して、寝ていたんだ。
子どもたちが、震災で助け合ったこと、原発の事故で残された悲しい動物たちがいたことを、記憶に刻んでくれますように。

粛々と書いた。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)

コメント (5)
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