川天使空間

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季節風113号

2013年01月19日 06時11分28秒 | 創作・本の紹介
数多の投稿作のうち三編掲載された珠玉の作品だけ、やっと読んだ。

松 弥龍さまの「てまり物語1 ハツばあちゃん」。
てまりの、なめらかに自然なユーモアが、いいな。
やさしい語り口もいい。
松 弥龍さまの創作は、読んでいて気持ちいい。
岸史子さまの作品を思わせる、気持ち良さ。
でも、松さまにしか書けない「ほんわり」がにじみ出て。

谷もと子さまの「ヤンばあちゃんのおたんじょう日」。
読んでいるうちに、谷さまの姿が目の前に浮かび上がってきた。
色・匂い・味・感触、そんなものが、砂浜の貝殻みたいに散りばめられている。
パステルカラーの絵本が立ちあがってくるような作品。

せいのあつこさまの「大林くんへの手紙」。
だれもが密かに持っている、ひねくれたダークな部分を、きっちりと小気味よく描いてくれるせいのさま。
堂々とそんな部分を描けるせいのさまはすごい。
読みながら、自分は昔、なんて愚かな子どもだったんだろうと、ずきんときた。
黒いパンプスを揃えて座ってる担任や宮子みたいだった。
嘘も言わない。人の悪口も言わない。清く正しく。
私はそれがいいことだと思っていた(本気の本気で)。
宮子みたいだったなあたし(あんなに堂々としてなかったけれど)と、思いながら読み進んでいったら、最後の宮子の手紙でどっきん。
や、やるなぁ(自分の愚かさレベルは宮子以上だったんだな)。

高橋秀雄さまの作品評-詩への宿題と、「ファンタジー作品を支えるリアリズム」と題した同人誌評の文章にも、どきり。
(転載をお許しくださいひでじぃさま)

 ──人間は一秒間に原稿用紙数枚のことを考えるといわれている。その気持ちの変動こそ、人を描くことなのではないだろうか。作者は登場人物たちの様々な気持ちの一つを選び取る自由がある。そして気持ちは行動や新たな思考につながる──

「人を描く」方法を、これほど明確に示してくれた文章、あったっけ。
ひでじぃさま、すばらしい言葉を、ありがとうございました!

上のひでじぃさまの文章を読んだら、自分の創作の冒頭のところから書き直さなければ気が済まなくなってしまった。
さて間に合うか。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)
 
コメント (6)
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