川天使空間

work, write, and fish! __ >゜)))彡  

児童文芸2013 6・7月号

2013年06月04日 05時26分42秒 | 創作・本の紹介
特集は新美南吉。
今回は、詩人としての南吉に焦点を当てたもの。
これが面白かった。

新美南吉の詩は初めて読んだと思う。
織江りょうさまが紹介してくださった「島」っていう詩が、私には一番印象に残った。

    島

  島で、或あさ、
  鯨がとれた。

  どこの家でも、
  鯨を食べた。

  髭は、呻りに、
  売られていった。

  りらら、鯨油は、
  ランプで燃えた。

  鯨の話が、
  どこでもされた。

  島は、小さな、
  まづしい村だ。

どきんとした。生活の詩って、すごいな。
南吉はいろんな童話や詩を書いているけれど、人の体温が伝わるものがやっぱりいい。
自分の創作にも人の体温が欲しい。

「この一冊ができるまで」は、
うらぴょんさまの「ホッキョクグマの赤ちゃんを育てる! 円山動物園のねがい」。
カナダ取材のお話は聞いていたけれど、たくさんのデータや文章がどうセレクトされてあの素晴らしいご本になったかがよく分かった。
作家と編集者さんの共同作業で本が生み出される様子が、じんじん伝わってくる。
映画のメイキング影像はDVDなどによく添付されている。
でも、本のメイキングは、あとがきだけじゃわからない部分も多く。
この特集、大好きです。

「わたしの好きな○○○」に、開隆人さま。
「わたしの好きな『時間のつぶし方』」って、チョイスがすばらしい。
そして「アイデア商品の発明者を検索して創作のモチベーションを上げる」っていうのもすばらしい。
あげくにお金を使わないのもすばらしい。

「絵から生まれたお話」は、うたかいずみさまの「本と花とおはなしだま」。
絵のあったかさやさしさが伝わってくる、もう「これしかない!」という童話。
「ぽょーん ぷぁーん ぴょろーん」とおはなしだまが本から飛びだしていく描写に、音楽を感じた。
頁に書かれた文字がしゅるしゅると消えてゆく様子も楽しく。
そしてラストの本のタイトルで、きっちり締めてあり。
さすがです。詩や、やさしい童話を、もっともっと書きたくなってしまった。

送り出して、じっと手を見る(啄木か…)。
よし、次に進まなくちゃ。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)

コメント
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