川天使空間

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うばかわ姫 越水利江子・作 白泉社招き猫文庫

2015年07月16日 05時20分14秒 | 創作・本の紹介
りえ子さまのうばかわ姫が、ついに文庫に!
やっと読めました。

追っ手から逃げる姫君、野朱(のあけ)は、近江の湖の淵で老婆に声をかけられる。
「娘さん、困っているようやのう…」

老婆は淵の水を野朱の頭から注ぎ、取り替えた自分の小袖を羽織ってうずくまれと。
ついに追っ手の篝火に発見され絶望したとき、「こいつぁっ、なんだ……!」と目を背けられる。
野朱は老婆になっていたのだった…

怪しく美しい若衆、威厳ある城主、鬼にあやかしに。
りえ子さまの時代劇ファンタジーは読み出したら止まらない。

ひもじい身になったとき、野朱は思う。

 飢えて食物を求めるとしても、これほど老いた女に生きる道も働き口もあるはずもなく、
 生きるとすれば、山の獣のごとく生きるしかない。
 そのとき、野朱は、おのれがもともと何も手にしていなかったのだと気づいた。
 おのれの手柄ではない血筋、美貌、若さの他には……何一つ。

野朱の心にどこからか語りかけてくる、お濠という男勝りの女武者。
ときに野朱に同化するこのお濠が、とにかくかっこいい!

このエンターテイメント、最高です!
療育センターの本好き女子たちにぜったい読んでもらわなくちゃ。

りえ子さまの時代劇ファンタジーのすばらしさは、半端じゃありません。
一般文庫で読者を増やして、ますますメジャーになってください!

りえ子さまのご本はなんて楽しいんだろう。
すてきな時間を与えられる本を自分も書けたらと切に思った。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)

コメント (2)
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