川天使空間

work, write, and fish! __ >゜)))彡  

おはなしの森3 「おはなしの森」の会・編 神戸新聞総合出版センター

2015年10月14日 05時26分29秒 | 創作・本の紹介
神戸新聞に連載された作品をまとめた童話集、その3。
続けて愛され、出版が続いているっていうことがまずすごい。
前作は春夏秋冬のお話だったけれど、今回は月ごとに並べられている。

お仲間の3編をご紹介。

「ランドセルさん ありがとう」白矢三恵

 1月のおはなし。
 まだ1月16日なのに、ちいちゃんは新しいピンクのランドセルがうれしくてたまりません。
 ランドセルさんと一緒に寝たちいちゃんは、夜、ハッと目をさまします。
 ベッドが、部屋が、ぐらぐらゆれています。
 暗くてなにも見えなくて、本棚から本がばさばさおちてきます。
 ゆれはますますひどくなって、背の高い本棚がちいちゃんにむかって倒れてきて…
 ちいちゃんの代わりに傷ついたランドセル。
 神戸の地震の時、まさにちいちゃんだった子がたくさんいたのでは。
 ランドセルのおかげで、地震のあとに生まれた子どもにも、あの地震のことが自分の体験のように感じられるのだと思いました。

「トラはネコマタ・スーパーキャット」森くま堂

 2月の節分のおはなしです。
 トラはタクヤの猫。黄色にこげ茶のシマシマ、金色の目はまるで小さな虎です。
 が、なんとトラはネコマタだったのでした。
 ふつうは見えないものが見えるトラは、口さけ女やこびとやトイレの花子さんにも会ったことがあります。
 でも、オニにだけは会ったことがありません。
 節分の夜、タクヤが豆を投げているとき、トラは庭のすみにぴかぴか光る小さな玉を見つけます。
 ぱくっとくわえて物置に入ると、玉の光が消えて、中からキーキー耳障りな声が…。
 うわぁ、オニって、オニって、こんなのあり?
 楽しい展開にわくわくしました。

「お星さま きらり」うたかいずみ

 12月、クリスマスのおはなしです。
 森でまいごになった犬のタム。
 家に帰れなくてしょんぼりしているタムを、うさぎやリスが雪投げにさそってなぐさめます。
 カラスが落とした金の星は、クリスマスツリーのてっぺんの星でした。
 タムはきれいだったクリスマスツリーを思いだして、またしょんぼり。
 リスが金の星をもみの木のてっぺんにかざろうとしますが失敗。
 でもなんと、もみの木のてっぺんには…。
 絵が目に見えるようなたのしい展開と、歌のリズムがとってもすてき。
 詩や童謡を書かれるうたかさまならではの、あたたかな作品です。

白矢さま、森くまさま、うたかさま、すてきなご本をありがとうございました!

読んで、ちょっとだけ書いて。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする