昨日は成育医療センター大矢幸弘先生による講演会だった。
両親にアレルギーがあるなど、アトピーやアレルギーのハイリスク新生児が、
その後アレルギーを発症しないために何ができるのかという内容。
20〜30年前には、アレルギー体質の子には乳児期に卵や牛乳やピーナツを除去したり離乳食を遅らせると発症が抑えられるという考え方があった。
ところがそれを徹底すると、栄養が十分行かず発達が障害される児が出てきた。
そして、その後の大規模研究などで、逆の結果が散見されるようになって。
最新のメディカルトリビューン誌に、つい最近結果が出た英国の大規模研究が載っていた。
アトピーハイリスク児に離乳早期からピーナツなどを食べさせたほうが、むしろその後のアレルギー発症が抑えられる傾向にあるとの結果。
成育医療センターでの研究でも、乳児早期にさまざまなものを食べさせたほうが良かったとのこと。
ただし、ここで重要なのは、新生児期からの湿疹の治療。
口や健康な皮膚から体に入ったアレルゲンでは、そうそう感作はおきない。
ところが湿疹のある皮膚から入ったアレルゲンでは、すぐに感作されて特異的IgEができてしまう。
アトピーはアレルギーマーチの根幹なのだと。
なので、湿疹のないきれいな皮膚を保ちつつ、早い時期から離乳食をまんべんなく食べるのが良いとのこと。
実際、日本の家の埃を調べると、卵成分がたくさんあるのだという。
卵やピーナツのアレルゲンは、分子構造的に埃に粘着しやすく、ふつうに家の中にあるのだ。
だから、湿疹をそのままにしておくと、家の中にいるだけでどんどん感作されてしまう。
新生児期からワセリンなどの保湿剤をきちんと使い、湿疹が出てきたらステロイドを短期間しっかり使って治す。
妊娠中のお母さんが食べたものが児のアレルギー発症に影響することもないし、赤ちゃんがきれいな皮膚で食物に感作されていなければ、授乳中のお母さんの食べ物がアレルギー発症に影響することもない。
けれど湿疹を放置していた乳児は、すでに皮膚から感作されてしまっているので、生後3ヶ月くらいでも卵や牛乳などでアナフィラキシーになることがあるのだと。
そして例えば卵や牛乳IgEが陽性であっても、生後3-4ヶ月の時期なら、湿疹をきちんと治療し、アナフィラキシーを起こす閾値量を遙かに下回るわずかな量からはじめて、連日その食物を摂るようにすると、牛乳アレルギーにはならずにすむ。
湿疹さえなければ、乳児早期に免疫学的寛容が得られるのだ。
ところが1歳近くまでなってしまうと、おなじような免疫学的寛容を得るには、かなりの時間と労力が要るのだという。
生後早期からの介入が重要、という内容だった。
ここ数年、アレルギー学の進歩はめざましい。
遅れを取らないように学んで治療していかないとね。
大矢先生から創作のヒントもいただいてしまった。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
両親にアレルギーがあるなど、アトピーやアレルギーのハイリスク新生児が、
その後アレルギーを発症しないために何ができるのかという内容。
20〜30年前には、アレルギー体質の子には乳児期に卵や牛乳やピーナツを除去したり離乳食を遅らせると発症が抑えられるという考え方があった。
ところがそれを徹底すると、栄養が十分行かず発達が障害される児が出てきた。
そして、その後の大規模研究などで、逆の結果が散見されるようになって。
最新のメディカルトリビューン誌に、つい最近結果が出た英国の大規模研究が載っていた。
アトピーハイリスク児に離乳早期からピーナツなどを食べさせたほうが、むしろその後のアレルギー発症が抑えられる傾向にあるとの結果。
成育医療センターでの研究でも、乳児早期にさまざまなものを食べさせたほうが良かったとのこと。
ただし、ここで重要なのは、新生児期からの湿疹の治療。
口や健康な皮膚から体に入ったアレルゲンでは、そうそう感作はおきない。
ところが湿疹のある皮膚から入ったアレルゲンでは、すぐに感作されて特異的IgEができてしまう。
アトピーはアレルギーマーチの根幹なのだと。
なので、湿疹のないきれいな皮膚を保ちつつ、早い時期から離乳食をまんべんなく食べるのが良いとのこと。
実際、日本の家の埃を調べると、卵成分がたくさんあるのだという。
卵やピーナツのアレルゲンは、分子構造的に埃に粘着しやすく、ふつうに家の中にあるのだ。
だから、湿疹をそのままにしておくと、家の中にいるだけでどんどん感作されてしまう。
新生児期からワセリンなどの保湿剤をきちんと使い、湿疹が出てきたらステロイドを短期間しっかり使って治す。
妊娠中のお母さんが食べたものが児のアレルギー発症に影響することもないし、赤ちゃんがきれいな皮膚で食物に感作されていなければ、授乳中のお母さんの食べ物がアレルギー発症に影響することもない。
けれど湿疹を放置していた乳児は、すでに皮膚から感作されてしまっているので、生後3ヶ月くらいでも卵や牛乳などでアナフィラキシーになることがあるのだと。
そして例えば卵や牛乳IgEが陽性であっても、生後3-4ヶ月の時期なら、湿疹をきちんと治療し、アナフィラキシーを起こす閾値量を遙かに下回るわずかな量からはじめて、連日その食物を摂るようにすると、牛乳アレルギーにはならずにすむ。
湿疹さえなければ、乳児早期に免疫学的寛容が得られるのだ。
ところが1歳近くまでなってしまうと、おなじような免疫学的寛容を得るには、かなりの時間と労力が要るのだという。
生後早期からの介入が重要、という内容だった。
ここ数年、アレルギー学の進歩はめざましい。
遅れを取らないように学んで治療していかないとね。
大矢先生から創作のヒントもいただいてしまった。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)