金治直美さまのノンフィクション、昨日ご紹介した日本児童ペンクラブの大賞をご受賞された作品です。
知里幸恵は、明治時代にアイヌの娘として生まれました。
その頃日本政府は、アイヌの言葉や文化を消し去ろうとしていたため、幸恵は「アイヌの言葉を使ってはならない」と言われて育ちました。
けれど幸恵はアイヌの暮らしや物語が好き。
母方の祖母であるモナシノウクから、ユカラ(詩物語)やウウェペケレ(昔話)を歌うように語ってもらうのが大好きでした。
幸恵の母と叔母のマツはキリスト教徒。
幸恵は小学生の頃から、足が悪くて独身の叔母マツの伝道所で暮らすことになります。
ここで炉を囲みながら、アイヌの人たちは昔の暮らしやたくさんのカムイ(神)のことを語り合います。
ユカラ(詩物語)の名手である祖母のモナシノウクは、人々に請われて、節をつけながら冒険物語を語ります。
小学校を卒業し、幸恵は110名中4番という優秀な成績で旭川の女学校に入学します。
そして二年生の時、アイヌの言葉の研究のためにやってきた金田一京助に出会います。
ユカラ(詩物語)の名手であるモナシノウクを伝道所に訪ねてきたのでした。
京助は言います。
「ユカラは、雄大な叙情詩であり、世界に誇れる伝承文学です。
あなたたち祖先の思いがつまった宝物です…
しかし、今これを記録していかないと、消え去ってしまうでしょう。
必ずのこさなくてはなりません。
それが私の望んだ道なんですよ」
ローマ字でアイヌの言葉を書いたノートを金田一京助に送った幸恵は、すばらしいと誉められます。
そしてそれを本にしてくれると。
幸恵は東京の金田一京助の家に住むことになり、「アイヌ神謡集」の出版に向けて根を詰めます。
心臓病(僧帽弁狭窄症)があり、時々発作を起こしていたのですが、校正を終えた夜に、幸恵は心臓発作で天に召されてしまいます。
出版された本を目にすることは叶いませんでした。
幸恵の生い立ちやアイヌの暮らし、叶わなかった結婚なども綴られており、こんなすばらしい女性がいたことに感動しました。
そして、アイヌには「文字」がないため、アイヌの言葉や物語は口承文学として伝わってきたこと。
そのため、アイヌの人々は非常に記憶力が良かったこと。
みんな、初めて知ることでした。
金治直美さまのノンフィクションは、いつも爽やかな感動をもらえます。
あとがきに「本書を書きながら、わたしは何度もしりごみをしました」とありました。
いえいえ、金治さまだからこそ、ここまで書けたのだと思います。
すばらしいご本でした。
金治直美さま、ますますのご活躍を!
またボツだったけれど勇気をもらえた。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
知里幸恵は、明治時代にアイヌの娘として生まれました。
その頃日本政府は、アイヌの言葉や文化を消し去ろうとしていたため、幸恵は「アイヌの言葉を使ってはならない」と言われて育ちました。
けれど幸恵はアイヌの暮らしや物語が好き。
母方の祖母であるモナシノウクから、ユカラ(詩物語)やウウェペケレ(昔話)を歌うように語ってもらうのが大好きでした。
幸恵の母と叔母のマツはキリスト教徒。
幸恵は小学生の頃から、足が悪くて独身の叔母マツの伝道所で暮らすことになります。
ここで炉を囲みながら、アイヌの人たちは昔の暮らしやたくさんのカムイ(神)のことを語り合います。
ユカラ(詩物語)の名手である祖母のモナシノウクは、人々に請われて、節をつけながら冒険物語を語ります。
小学校を卒業し、幸恵は110名中4番という優秀な成績で旭川の女学校に入学します。
そして二年生の時、アイヌの言葉の研究のためにやってきた金田一京助に出会います。
ユカラ(詩物語)の名手であるモナシノウクを伝道所に訪ねてきたのでした。
京助は言います。
「ユカラは、雄大な叙情詩であり、世界に誇れる伝承文学です。
あなたたち祖先の思いがつまった宝物です…
しかし、今これを記録していかないと、消え去ってしまうでしょう。
必ずのこさなくてはなりません。
それが私の望んだ道なんですよ」
ローマ字でアイヌの言葉を書いたノートを金田一京助に送った幸恵は、すばらしいと誉められます。
そしてそれを本にしてくれると。
幸恵は東京の金田一京助の家に住むことになり、「アイヌ神謡集」の出版に向けて根を詰めます。
心臓病(僧帽弁狭窄症)があり、時々発作を起こしていたのですが、校正を終えた夜に、幸恵は心臓発作で天に召されてしまいます。
出版された本を目にすることは叶いませんでした。
幸恵の生い立ちやアイヌの暮らし、叶わなかった結婚なども綴られており、こんなすばらしい女性がいたことに感動しました。
そして、アイヌには「文字」がないため、アイヌの言葉や物語は口承文学として伝わってきたこと。
そのため、アイヌの人々は非常に記憶力が良かったこと。
みんな、初めて知ることでした。
金治直美さまのノンフィクションは、いつも爽やかな感動をもらえます。
あとがきに「本書を書きながら、わたしは何度もしりごみをしました」とありました。
いえいえ、金治さまだからこそ、ここまで書けたのだと思います。
すばらしいご本でした。
金治直美さま、ますますのご活躍を!
またボツだったけれど勇気をもらえた。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)