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治療可能になったフロッピーインファント

2018年06月04日 06時04分51秒 | 小児科
身体がやわらかく首が座らない乳児を、フロッピーインファントという。
神経や筋肉の病気を持つフロッピーインファントの代表疾患が、ウェルドニッヒ・ホフマン病-脊髄性筋萎縮症SMAⅠ型。



脊髄前角細胞の先天的な異常で、乳児早期に気管切開や人工呼吸器を必要とする。
脳の発達に異常なく身体だけが動かせないため、患者さんは人工呼吸管理をしながら自宅で過ごす。
日本のSMA有病率は、10万人当たり0.5~1.0人と推定されている。

昨年8月、この病気の治療薬「スピンラザ(R)」(一般名ヌシネルセン)が発売された。
スピンラザは国内で初めて承認されたアンチセンス核酸医薬品で、
髄注により脊髄前角細胞の足りない蛋白質量を増加させ、運動や呼吸障害を改善させる。



今回参加した小児神経学会で、治療がどの程度効くのかを聞いてきた。
より早く治療されれば確実に病気の進行が抑えられることが、複数施設から発表されていた。

特に印象的だったのは、1ヶ月健診でフロッピーインファントを指摘され早期診断を受け、生後55日から治療開始されたお子さん。
徐々に飲めなくなってチューブ栄養だったものが、治療後自力で全量哺乳できるようになり退院したとのこと。
病気が完全に治るわけではないが、児にとっても家族にとっても福音となる薬なのだ。

生後2週間頃から哺乳中に休むようになるとか、上肢屈曲位をとらなくなるなどの症状がある。
1ヶ月健診よりさらに早期診断されれば、もっと早く治療できる可能性もあるので、産科医へのアピールも必要かなと思った。

他にも筋ジストロフィーなど、病因・病態が解明されて治療につながる疾患が増えてきている。
昔大学病院で診ていたあの子も、あの子も、治療できる時代になったのだなと感慨深かった。

フロッピーインファントが早期治療できることを、多くの方に知ってもらいたい。
学ぶことって、まだまだ多すぎるな。

猫とまったり書いたり読んだりだった。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)

コメント
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