久保田香里さまの新著、平安時代の「紙」をめぐる物語です。
長徳4年(998年)、京都の職御曹司(しきのみぞうし-天皇の后のための役所)で働くことになった、
十二歳の少女、萌黄(もえぎ)。
萌黄の母は内裏の女官だったが、萌黄が幼い頃にはやり病で亡くなった。
叔母に育てられた萌黄は、叔母が都を離れるため、ひとりで働くことに。
萌黄が赤んぼうの頃に父は母と別れて都を出たと聞いている。
父は紙を作る人で、萌黄は叔母から紙をもらった。
父の作った紙を萌黄にと託されていたのだ。
職御曹司の下働きで、萌黄は清少納言に出会う。
頼まれた桜の花の枝と紙を持っていく。
「この色目でよろしいですか、少納言さま」
「ええそう、桜重ねよ。この枝によくあう」
上においた白い紙に、下の赤がすけて、桜の花のようなあわい色に見えた。
居丈高な清少納言は下働きのものを見ようともしない。
けれどその文章は、紙に書かれた手紙は、人々にうるおいを与えていた。
清少納言と頭弁(とうのべん)がやりとりする文を運ぶ萌黄。
庭番の息子小竹丸に近道を教えてもらい、素早く文を運び喜ばれる。
清少納言は何気ない日々のできごとを記した「草子」を書いていた。
后に贈られた紙に、后の命で書くので「枕草子」。
萌黄は「紙」に触れるたびに、父を想う。
父からもらった紙は、白くて厚い「紙屋紙」だった。
しかし盗難騒ぎの折り、萌黄が「紙屋紙」を持っていたことで盗人呼ばわりされ・・
久保田さまの文章は、読み手をすっと平安時代に引きこみます。
そして「紙」のことが物語の中で詳しく語られ。
同時に紙に書かれた文の力も語られます。
久保田さまの歴史考察はほんとうに深い。
苦労されながら楽しみながら、深く深く調べられたのだと思います。
何気なく手にしている紙。
私たちの文章が印刷される紙。
デジタルの時代ですが、やはり本は紙がいい。
紙をめくることは、ほんとうに楽しい。
久保田香里さま、ますますのご活躍を!
久保田さまの素直な文章、好きだなあ。
童話塾in東北でもお会いできるとのこと。
久保田さまのこのご本も、書籍販売でお目見えしそうです。
絶対お勧めです!
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
長徳4年(998年)、京都の職御曹司(しきのみぞうし-天皇の后のための役所)で働くことになった、
十二歳の少女、萌黄(もえぎ)。
萌黄の母は内裏の女官だったが、萌黄が幼い頃にはやり病で亡くなった。
叔母に育てられた萌黄は、叔母が都を離れるため、ひとりで働くことに。
萌黄が赤んぼうの頃に父は母と別れて都を出たと聞いている。
父は紙を作る人で、萌黄は叔母から紙をもらった。
父の作った紙を萌黄にと託されていたのだ。
職御曹司の下働きで、萌黄は清少納言に出会う。
頼まれた桜の花の枝と紙を持っていく。
「この色目でよろしいですか、少納言さま」
「ええそう、桜重ねよ。この枝によくあう」
上においた白い紙に、下の赤がすけて、桜の花のようなあわい色に見えた。
居丈高な清少納言は下働きのものを見ようともしない。
けれどその文章は、紙に書かれた手紙は、人々にうるおいを与えていた。
清少納言と頭弁(とうのべん)がやりとりする文を運ぶ萌黄。
庭番の息子小竹丸に近道を教えてもらい、素早く文を運び喜ばれる。
清少納言は何気ない日々のできごとを記した「草子」を書いていた。
后に贈られた紙に、后の命で書くので「枕草子」。
萌黄は「紙」に触れるたびに、父を想う。
父からもらった紙は、白くて厚い「紙屋紙」だった。
しかし盗難騒ぎの折り、萌黄が「紙屋紙」を持っていたことで盗人呼ばわりされ・・
久保田さまの文章は、読み手をすっと平安時代に引きこみます。
そして「紙」のことが物語の中で詳しく語られ。
同時に紙に書かれた文の力も語られます。
久保田さまの歴史考察はほんとうに深い。
苦労されながら楽しみながら、深く深く調べられたのだと思います。
何気なく手にしている紙。
私たちの文章が印刷される紙。
デジタルの時代ですが、やはり本は紙がいい。
紙をめくることは、ほんとうに楽しい。
久保田香里さま、ますますのご活躍を!
久保田さまの素直な文章、好きだなあ。
童話塾in東北でもお会いできるとのこと。
久保田さまのこのご本も、書籍販売でお目見えしそうです。
絶対お勧めです!
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)