日本国民の各世代、何%がワクチンを受けたら感染状況はどうなるか。
西浦博教授の同志、京大の古瀬祐気先生による今後のCOVID-19シミュレーション。
前回東京都のシミュレーションもご紹介したが、「8月まで人流増加」とすると、少し底上げしたグラフどおりの経過で、
現在のCOVID-19流行第5波はピークを脱したように見える。
今回のシミュレーションは今後の150日の死亡者数(全国)などを予測したものだが、興味深かった。
ワクチンが【効果的】だった場合に、今後の新型コロナ死亡者数はどうなるのかのシナリオ。
累計死亡者数と、接触機会減少程度の関係を予測したグラフだ。
青破線は全国民の90%がワクチン接種した場合。
緑は20-30代の接種率が75%(これが目標となるシナリオ)。
黄色は20-30代の接種率が60%(ありえるシナリオ)。
赤が20-30代の接種率が45%(最低限目ざしたいシナリオ)。
グレーがワクチンがないシナリオ
接触機会減少の程度が0%=2019年以前の生活をもし今復活させたとすると、
9割の国民がワクチン接種しても、150日間で10万人が亡くなるという推計結果が出ている。
つまり、どれだけワクチンが進んでも、今後すぐには2019年以前の生活には戻れないということ。
20-30代の接種率が75%になって接触機会を40%減少させてやっと150日間の累計死亡者が10000人レベルなのだ。
そして、現在第5波の流行中だが、いったん流行が収束した後、
今後1年間どのような流行の波が来るのかのシミュレーションも。
こちらの図はワクチンが【効果的】で、接触機会減少が【20%】のシミュレーション。
「流行が収束したので自粛をゆるめてもいいよね」となった時のシミュレーションとも言える。
縦軸は新規感染者数、横軸は日数。
接触機会20%減少程度のゆるい自粛では、20-30代の接種率が75%になっても(緑)
年3回の大きな流行がある(今回の第5波が落ちついてもすぐ徐々に増えて60日後に第6波のピーク)。
これだとまた年が開けると次の流行の波が来る感じ。
接触機会を40%減少させるとやっと、
しばらく平穏な状態が続きながらも少しずつ感染者が増加、来年の夏-秋頃、
1日感染者数20000人ほどのピークの第6波がやってくるという。
(ワクチンが【非常に効果的】であれば、20-30代の接種率が75%・40%の人流削減で1年間大流行はなく、
20-30代の接種率が60%・40%の人流削減で収束後半年ほどで第5波レベルの第6波が来るとの予想)
つまり、20-30代の75%がワクチンを接種してしかも40%の人流削減があり、
マスク・換気・ソーシャルディスタンス・手洗いなどをやっていても、
収束9ヶ月後くらいに1日感染者20000人のピークが来るので、それは許容しなければという結果。
新たな治療薬などが出てこない限り、自粛生活はとうぶん続くということになりそう。
今後、日常生活でも、より効果的な感染予防対策がとられるようになるはず。
より効果の高いマスク・換気(換気ができるエアコンも出てきている)・状況によるソーシャルディスタンス
などの指針が出てきて、効果の薄い製品は排除されていくと思う(空間除菌などもってのほか)。
そしてたぶん、今後「物の消毒」の部分はあまり重要視されないだろう(手洗いやコロナ感染時の消毒は重要だが)。
(新学期前の学校で机の消毒をしていた記事はちょっと笑えた。新型コロナウイルスいないのに何故消毒と)
ひきこもり傾向のある自分にとって、軽度自粛生活はわりに快適。
でも、みんながそうじゃないから、小児科医としてできることをせいいっぱいやるしかないな。
朝しか書いていない、夜はメール対応だけだなと反省。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)