川天使空間

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『おはようの声』 おおぎやなぎちか・作 くまおり純・絵 新日本出版社

2023年03月03日 04時45分53秒 | 創作・本の紹介
おおぎやなぎちかさまの新刊、舞台は秋田市です。

 三年生のゆっこは、となりの家の六年生、エリちゃんが大好き。
 エリちゃんが「おはよう」って言った瞬間、そこだけぱっと明るく晴れたみたいになる。
 エリちゃんとお人形遊びしたり、エリちゃんの家に泊まったり。
 でも、エリちゃんは学校でたおれたりして、元気がない。
 そんなとき、エリちゃんの弟のヒロくんと作ったかまくらで、プリンスとプリンセスの結婚式をしようというエリちゃん。
 ヒロくんとゆっこは結婚式のまねごとをするが、ゆっこは最後に「やだ」と言う。
 「あたしは、戦うプリンセスがいい」と。
 ある日、エリちゃん一家が消えて、ゆっこの家にエリちゃん家のピアノとテレビと絵があった……

雪の描写、さすがです。58ページのここがとっても好き。

 ふわっ。
 空から落ちてきた雪を、手袋で受け止める。
 一秒、二秒、三秒……。雪は、手袋に吸いこまれるように消えた。
 あ、なんか、言葉が生まれそう。

ゆっこがエリちゃんを大好きな気持ちが、本全体から伝わってきた。
エピローグを読んでからプロローグを読み直すと、また、しんみり。
すなおなゆっこの気持ちが、いとおしい。
かざらない自然な秋田弁もすごくいい。

おおぎやなぎちかさまならではの秋田の描写も最高。
かまくらを作るにも秋田市の雪は横手市と違うって、他の県の人は知らないだろうな。

おおぎやなぎちかさま、ますますのご活躍を!

工藤純子さまのご本を読んで、辛い気持ちがまだ心に残っていた。
そんな中で読んだおおぎやなぎさまのやさしいご本。
雪が舞う中にうかびあがる大好きなエリちゃんの姿や、
雪の結晶、しずかに降る雪の描写が、心をなだめてくれた。
おおぎやなぎさまに感謝。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)
コメント (2)
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