おおぎやなぎちかさまの新刊、舞台は秋田市です。
三年生のゆっこは、となりの家の六年生、エリちゃんが大好き。
エリちゃんが「おはよう」って言った瞬間、そこだけぱっと明るく晴れたみたいになる。
エリちゃんとお人形遊びしたり、エリちゃんの家に泊まったり。
でも、エリちゃんは学校でたおれたりして、元気がない。
そんなとき、エリちゃんの弟のヒロくんと作ったかまくらで、プリンスとプリンセスの結婚式をしようというエリちゃん。
ヒロくんとゆっこは結婚式のまねごとをするが、ゆっこは最後に「やだ」と言う。
「あたしは、戦うプリンセスがいい」と。
ある日、エリちゃん一家が消えて、ゆっこの家にエリちゃん家のピアノとテレビと絵があった……
雪の描写、さすがです。58ページのここがとっても好き。
ふわっ。
空から落ちてきた雪を、手袋で受け止める。
一秒、二秒、三秒……。雪は、手袋に吸いこまれるように消えた。
あ、なんか、言葉が生まれそう。
ゆっこがエリちゃんを大好きな気持ちが、本全体から伝わってきた。
エピローグを読んでからプロローグを読み直すと、また、しんみり。
すなおなゆっこの気持ちが、いとおしい。
かざらない自然な秋田弁もすごくいい。
おおぎやなぎちかさまならではの秋田の描写も最高。
かまくらを作るにも秋田市の雪は横手市と違うって、他の県の人は知らないだろうな。
おおぎやなぎちかさま、ますますのご活躍を!
工藤純子さまのご本を読んで、辛い気持ちがまだ心に残っていた。
そんな中で読んだおおぎやなぎさまのやさしいご本。
雪が舞う中にうかびあがる大好きなエリちゃんの姿や、
雪の結晶、しずかに降る雪の描写が、心をなだめてくれた。
おおぎやなぎさまに感謝。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)