シモツケソウ;繍線菊。バラ科の落葉低木で、春先の雪柳や小粉団と同じ仲間。アジア原産で、各地の山野に生え、観賞用に庭などに植えられる。高さ約1m。互生する葉は長さ5~8cmの広卵形で両端はとがり、縁に鋸歯がある。5~7月、枝先に径約5~7cmの半球形の花序を出し、淡紅色または白色の五弁の花を多数つける。昔の「下野」の国で発見されたことから「シモツケ」と呼ばれ、漢名「繍線菊」があてられる。「繍線菊やあの世へ詫びにゆくつもり 古舘曹人」「しもつけに肩ふれらるる家の角 岡田博文」「しもつけの花を小雨にぬれて折る 成瀬正俊」「繍線菊やえんぴつ書きの母の文 山内八千代」。小花が傘状に群がり、咲くさまは、しつとりとした味わいがる繍線花である。(下野草 驟雨にあうも 凛と咲く ケイスケ)