透百合;スカシユリ(ユリ科:ユリ属)花言葉は、注目を浴びる。百合は総称で、「ゆり」は「揺り」の意で、大きな花が風に揺れ動くことに由来。「百合」の字は、球根が数十個の麟片からできているので、「百片合成」の意味であり、「万葉集」には、「百合」「由利」「佐由理」「佐由理」などと表記されている。日本には美しい百合が数多く自生するが、どれも鱗茎から芽を出し、笹の葉に似た葉を互生する。花は六弁の漏斗形で、芳香を放つものが多い。山野で見る山百や笹百合の清しさ、鬼百合の野趣、カサブランカの風格など、種や品種によって趣が異なる。だがいずも、きりりと咲く姿から、純粋で一途な思いなどが託された句が多い。「くもの糸一すちよぎる百合の前 高野素十」「谷風や花百合そ向きま向きして 阿波野青畝」「神の声湧くごと森の車百合 加藤知世子」「百合の花家ひろびろと香りけり 黒柳昌子」。西洋では百合は早くからキリスト教と深く結びついており、今でも受胎告知の神聖な花として祭壇を飾る。『霊歌歌ひ黒人百合をだきさる 有馬朗人』「告別ミサ百合は異端の匂いもつ 今村順子」「ふれもせで百合くずれたり沖縄忌 丹波恵美子」。百合の花の命も短くて、数少ないと、残した鉢の無残さが残る(庭に置 百合3鉢は 咲いて散る ケイスケ)