渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

タックイン ~二輪走行技譚~

2024年12月08日 | open



私は旋回する時にヌペーッ
とメリハリ無く
車体を倒し
ていく事は殆どな
い。
コーナー立ち上がりはほぼ
スロットルを開けて行くが、
そのコーナーに入る時まで
は開けて進み、一気に適切
速度まで減速して旋回する。
その時に、そのまま寝かし
込むのではなくタックイン
をする。コーナーターンエ
ペックス手前で。
クリッピングポイントは
イントを舐めるように加

して抜ける。

クリッピングポイントが回
頭地点=旋回軌跡の頂点で
はない。


多分だが、私の後ろを走る
人は、私の車体がコーナー
進入時にカクンとした動き
で急激にペタンと転ぶかの
ように倒れるような動きに
見えると思う。
自分で自分を後ろから見た
事はないので分からぬが、
たぶんそうかと思う。
カクンの度合いが少ないR
のコーナーの旋
回でもギュ
ーッと寝かせて
行ってスッ
と倒れ込むよう
になってか
らフロントがイ
ンに向いて
グイグイ曲がって旋回する
様子が見られるかと思う。

直線などは誰でも開けられ
る。マシン任せで。
快速走行の違いが出るのは
旋回速度だ。
しかも、それはきちんとコ
ーナーを曲がる=回頭させ
て回って行かないと実現は
無理。
コーナー途中で開けるなど
というのは更に無理。転ぶ
のがおちだ。
すると見えて来る。
直線なり直線のような緩い
S字ではしっかりとスロット
ルを十分に開けて後軸に荷
重させて速度を乗せ、コー
ナー手前ではしっかりと確
実にブレーキングする。
キャスターを立てて十分に

フロントサスを沈めてフロ
ントのトラクションを得て
回る。
かつて峠を走りまくりの頃
の私の2スト車は2ヵ月でフ
ロントブレーキパッドが無
くなった。
直線後の急旋回コーナーな
どではほぼフロントフルボ
トムあたりまでブレーキン
グして、ブレーキングしな
がらコーナーに入って行く。
ブリッピングシフトダウン
しながら。時々まとめて。
つまりクラッチを切ってい

る区間の滑走エリアがある。
そして車体が完全に寝る前
にブレーキをリリースする
のと同時に回頭させる。そ
の時期は早目だ。かなり早

い段階で車は頭を曲げる。
フロントサスは沈み込んだ
まま伸びたりはせず、その
まま旋回Gをサスが沈んだ
状態で処理する。
リアブレーキはパーセンテ
ージでいったらほぼ使わな
い。リアは車体姿勢制御の
ためだけに使い、制動目的
では一切使わない。リアブ
レーキはスイングアームを
上下させたり定位置で固定
させたりするための装置だ。

そういう乗り方を48年以上
前の1970年代中期
からやっ
て来たが、ほぼ完
成形に近
づくメソッドを得たのは故
柳沢雄造氏からの直の細か
い助言に
よって自己認識と
して獲得
できた。「馬鹿野
郎。乗るのやめちめえ!」
と耳タコ説教くらいながら。

後軸を外に出す乗り方など
もそうだ。それはリアステ
アなどという不存在の事項
ではなく、ジオメトリーの
微細変化に対応する乗り方
だ。
その理論と実践。
コースだけでなく公道の速
度領域でも、十分にその二
輪の特性は現出する。
現出するものはそれをそれ
としてきちんと正確に把握
して、自分の掌中に収める。

公道車では新しい車には新
しい車なり
の乗り方がある
のかも知れ
ないが、私が所
有する6台
の二輪はベスパを
除いて全
て1990年代終焉以
前の車なので、
まったく私
の乗り方は問題
なく最適合
している。


今の車は、もしかすると、
上体を起こしてガチガチに
硬直させて頭も高く顎も出
し、ステップにもただ足を
載せるだけで一切マシンホ
ールドもせず、スマホを眺
めながらインカムや動画撮
影でくだらない事を延々と
しゃべり続けながらのなが
ら運転で、左側を超低速で
トロッコのように走る為の
バイクなのかも知れない。
新型車に載っている人たち
の大多数がそれやってるの
で。
私の知るオートバイの乗り
方とは全く違う。
まして、操縦や操作とかに
は今の人たちは一切興味が
ないようで、オートマ車の
四輪での行楽移動の代替物
して二輪を運行させてい
みたいだし。

どう言ったらいいかなぁ。
そう、バスケ大好きですぅ、
バスケットいつもやってま
すぅ、バスケ得意ですぅ、
とか言いながらドリブ
ルを
見たら手からボールが
ポン
ポン離れて、手で叩い
てい
るような事をや
っているみ
たいな感じ。

バスケをやる人のドリブル
はボールが手に吸い付くよ
うになっているのが本物。

人はね。
見ればわかるよ実力は。
今の人たちでも、数は圧倒

的に80年代よりは減ったが、
確実に「乗れている」若い
人たちはいるよ。
コースではなく公道に。



 


この記事についてブログを書く
« 技法の一 ~二輪走行技譚~ | トップ | ハングフォーム ~二輪走行... »