このところ、連日、日本〇学院、〇京音大、そして緑ちゃん倶楽部のレッスンと、ピアノを弾く機会が多いのですが、
でも家に帰れば、部屋には、ヤツがいるのです。
そして、こんなものを、手に入れてしまいました。
暗闇に光る「HAMMOND」のロゴ・パネル。
海月のLEDと同じ、青い色で光るっていうんですから、
・・・もうねえ、奥さん(←誰に話しかけた)。
いやあ、もうねえ。
なんでしょうねえ、この、
アクリル好きは(笑)。
またちょっと子どもの頃の話ですが、アクリルの棒を貰ったことがあるんです。
四角くて、透明の棒で、長さは1メートルくらいはあったでしょうか。
それをね、端からのぞくと、まるで万華鏡の様で。
僕は、その棒が大好きでした。
外に持っていくのは「危ないから」と禁止されていましたので、家に帰ると、その棒を取り出して、覗くんですよ。
太陽の光のある部屋。
柄のある壁紙のある部屋。
お店(←お茶っ葉屋さんね)。
そして庭。
ベランダから見える空。
雨の日の水滴のついた縁側。
覗きながら歩くと、模様がどんどん変るんです。
それがまた、とっても幻想的で、キレイでしてねえ。
そして、光に当てるとね、棒が光るんです(←言ってみれば、この思い入れが、海月の原型なのですな。こちらのページの下のほうなど、まさにそれ(笑))。
「母さん、僕のあのアクリル棒、どこへ行ったんでしょうねえ。」
・・・これで、「お、あの映画か」と、おわかりなる方は、僕と同じ年くらいでしょうか。仲間、仲間(笑)。
「母さん、ぼくのあの帽子、どこへ行ったんでしょうね…」
そう、映画「人間の証明」の有名なセリフでもあり、キャッチコピーでしたね。
ふわふわと風に飛ぶ帽子の映像と共に、毎日のように、テレビのCMで聞いた言葉です。
昨年亡くなってしまわれました、ジョー山中さんが歌った、ソウルフルな「人間の証明のテーマ」。
大野雄二さん(←あのルパン三世のテーマ曲などの作曲者)による、淡々として、それでいて実に説得力のあるピアノ、そして、途中から吼えるように登場するハモンドオルガンが素晴らしいです。
まさに、「Mama,Do you remember the old straw hat you gave to me…」と歌われています。
この歌詞の原詞は、こちらの西条八十氏のものなのですが、・・・味わい深いですね。
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『麦藁帽子』 / 西条八十
母さん、ぼくのあの帽子どうしたでせうね?
ええ、夏碓氷から霧積へいくみちで、渓谷へ落としたあの麦藁帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
ぼくはあのときずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こふから若い薬売りが来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどたうたうだめだった。
なにしろ深い谷で、それに草が背丈ぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき旁で咲いていた車百合の花は、もう枯れちゃったでせうね、
そして、秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかもしれませんよ。
母さん、そしてきっといまごろは
今晩あたりは、あの谷間に、静かに霧が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光ったあの伊太利麦の帽子と
その裏にぼくが書いたY・Sといふ頭文字を埋めるやうに、静かに寂しく。
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あのアクリル棒は、ほんと、どこに行ったのだろう。
あんなに大好きだったのに。
考えると、切なくなります。
ちゃんとさよならもいわずに、どこかへやってしまったのです。
僕は、あのいつだってキラキラしていたアクリル棒のことを、
海月を見ると、いつも思い出すのですよ。
とういうわけで、
・・・CP80の天板も、やはりどうしても、アクリルに(←あきらめてない(笑))。
ではー。