「STILL LIVE」
キース・ジャレット・スタンダーズ・トリオ
このところ、クルマの中でこればかり聴いています。
1曲目の「My Funny Valentine 」に入るまでの、キースのピアノソロの何ともいえない、彼らしい、美しさ。
これだけで、暑さとか、なんだとか、色々なものがすうーっと、消えてしまうようです。
キースでは、もともとはソロ・ピアノが大好きなので、こちらでは
最近では「サンベア・コンサート」(発売当時、なんとLPで10枚組、CDでは6枚組になっています)を良く聴いていますが、
クルマでは、なんとなく軽快なリズムのあるトリオの方が、聴きやすいようです。
ソロは、トリオに比べて緊張感が凄まじいので、どうしても、聴き流せないですしね。
「サンベア・コンサート」については、もう、長くなるので(笑)、またいずれです。
聴いても聴いても、いつでも、夢のようなピアノが聴けるアルバムです。
CD6枚もありますしね、楽しみが尽きません。
そして、話はもどりますが、僕の中での、最近のヘビーローテーションCD「STILL LIVE」。
この中でも、思わず、ゾクゾクして、つい、運転してることをを忘れて(忘れませんけどね(笑))聴き入ってしまうのが、
「You And The Night And The Music(あなたと夜と音楽と)」
のエンディングから、キースのインプロヴィゼーション。
これがね、もう、本当に、なんとも素晴らしいのですよ。
最初聴いたときから、気になっておりまして、でも、スタンダーズ・トリオのアルバムですし、「ん?スタンダード曲にこんな展開があるのか?やけにかっこいいな」と思って、
改めてインナーを見たら、そこは、キースのインプロだったのでした。
やはり、キースは凄いですよ。歴史的なスタンダードナンバーの中に、しっかりと融け合いながらも、圧倒的な個性の光を放つのですから。
と、キースの話を書いたので、せっかくですから、夜のお供に、ちょっとだけご紹介しましょう。
「My Funny Valentine(マイ・ファニー・ヴァレンタイン)」
これは、「STILL LIVE」とは別のテイクですが、やはりピアノソロから本編に入るアレンジで、CDよりは少し短めですが、やはり・・・美しいです。
本当に、僕の知っている限りですが、こういうピアノ、こういうメロディーを弾ける人って、他にいないのですよ。独特で、絶妙のタイム感、そして、極上のメロディー。
http://www.youtube.com/watch?v=l-phggJG2sM
歌入りですと、このチェット・ベイカーのバージョンが有名ですね。
彼は男の人(ジャズ・トランぺッター)ですが、ぱっと聞くと低い声の女性のような、とても中性的な声で歌われています。
この曲は、他にも沢山のジャズメンにカバーされていますので、よろしかったら、検索されてみてくださいね。
http://www.youtube.com/watch?v=jvXywhJpOKs
「You And The Night And The Music(あなたと夜と音楽と)」
・・・この動画の2:10秒あたりから盛り上がって、キースらしく立ちあがってのピアノソロ、いいですねえ・・・。
凄いときは、ピアノの鍵盤の上にあるのは手首だけ、なんて人ですからね(笑)。
続くベースソロも、かっこ良いです。
これも「STILL LIVE」の時のものではないので、僕が先ほど書きました曲後のインプロはありませんが、もう、エンディングなんかも、ほんと最高です。びしっと、決めた後のベースのゲイリーの表情がまた良いのですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=QIEEOZDM-eM
うーん、今年の5月の来日が、スタンダーズ・トリオとしては最後というアナウンスでした。
今になって、三日間公演の初日を見逃したが、本当に悔しいです。
・・・もう、こんな凄い事を、何十年も世界中でやり続けたのですから、もう、特に80歳のゲイリーにはゆっくり休んで欲しいと思う反面、でも、また、来てほしいと思ってしまうのは欲張りですよね。
でも、本当に、こういう天才と同時代に生まれ、そして、その音楽に出会え
その音楽を直接耳にすることができる幸せは、地球や宇宙的な感覚での時間の流れを考えますと、本当に、奇跡のようなものだと思います。
こころして、噛みしめたいと思います。
・・・スルメを、噛みしめながらくコ:彡。
あ、後ろのもう一枚は、「バターコーン・レディ」という、
キースのプロデビュー盤です。20歳のキースの演奏が聴けます。
アート・ブレイキーという大御所ドラマーのバンドへの雇われのピアニストとしてのアルバムですが、やはり、天才は、昔から天才でした、という。
ではー。