く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<カラタネオガタマ(唐種招霊)> バナナに似た甘い芳香を発散

2013年06月11日 | 花の四季

【別名「トウオガタマ」「バナナ・ツリー」 江戸中期に渡来】

 モクレン科オガタマノキ属の常緑樹で、原産地は中国南部。日本原産のオガタマノキ(オガタマ)の仲間で江戸中期に渡来した。別名「トウオガタマ」。花期は5~6月で、バナナにそっくりの不思議な甘い香りを放つ。そのため英名では「バナナ・ツリー」や「バナナ・ブッシュ」と呼ばれる。まれにしか結実しないから「カラタネ」の名が付いたともいわれる。

 オガタマ(花期2~4月)は高さが10~20mの高木になるが、カラタネオガタマは3~5m程度と低く、公園樹や庭木として植えられることが多い。花被片は6枚とシンプルで、他のオガタマノキ属(9~21枚)に比べると少ない。花の径は3cm前後。オガタマの花は白いが、カラタネは外側がバナナに似たクリーム色で、内側には紫紅色のボカシが入る。。

 カラタネは芳香に加え、半開きの花姿が控えめで慎ましいことから、茶花として用いられる。中国名は「含笑花」。花から芳香油を精製して香料とし、生薬「含笑」は鼻炎や消化不良などに効くという。台湾ではこの花を髪に挿して花飾りにしていたという。花が紅色の「ベニバナカラタネオガタマ」という品種もある。

 オガタマ(招霊、小賀玉)の名前は神霊を招き寄せる「招霊(おぎたま)」が転訛したもの。古くから榊(さかき)とともに神前に供えられてきた。そのため、日本原産のオガタマは神社で見かけることが多い。京都市の白峯神宮のオガタマは推定樹齢800年という巨樹。そのほか関西では大阪の枚岡神社、杭全神社、道明寺天満宮、奈良の手向山八幡宮、和歌山の熊野速玉大社など、各地の神社に植えられている。「をがたまの花咲き社家の娘が嫁ぐ」(大橋敦子)。

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