く~にゃん雑記帳

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<なぜ中国人とトラブルのか> 「日常的な接触が増加 偏向報道も一因」!

2013年06月15日 | メモ

【大阪自由大学で河合研究員「互いの文化的差異を意識し相互理解を」】

 ある世論調査で「嫌い」な国として中国を挙げる日本人が76%にも上った。なぜマイナスイメージが先行しているのか。キャンパスポート大阪(大阪・梅田)で14日「なぜ日本人は中国人とトラブルのか―文化人類学の視点から」をテーマに大阪自由大学の講座が開かれた。民博連続講座「〝斜界学〟のススメ」の第3弾。講師の河合洋尚・国立民族学博物館機関研究員(写真)は「相互理解の欠如が大きな原因。互いの文化的差異を意識し、譲歩していくことが必要」などと述べた。

  

 河合氏は関西学院大学社会学部卒で、東京都立大学大学院で社会人類学を専攻。2004年から中国の大学で博士研究生や講師などとして通算7年間を中国で過ごした。現在も中国嘉応大学客家研究所客員教授を務める。日本の25倍の国土に56の民族を抱える中国。多くの中国人と接してきた経験から「実に多様で〝中国人は○○〟とひとくくりにはできない」と話す。

 最近の中国イメージの悪化については「儒教や道教、共産党の1党支配、カンフーや辮髪などから受ける奇異なイメージに加え、日常的な接触によるトラブルの増加がその背景にある」と指摘する。2011年度の訪日外国人は中国・台湾・香港・シンガポールを合わせた中国系が全体の40.5%を占めた。日本人の海外渡航先でも1700万人のうち中国が398万人で1位(いずれも「観光白書」から)。日系企業の駐在員や日中双方の留学生も増え、接触する機会が増えてきた。

 日常的な接触によるトラブルは「その多くが文化摩擦に起因する。いわば自民族中心主義的な基準から他民族である中国人の行動を判断することによって摩擦が生じている」とみる。その具体的な事例として食事や公共マナーなど10のケースを取り上げた。事例①「いろいろしてあげたのに〝ありがとう〟の一言もない」。日本人のこんな不満については、「中国人は親しくなったら〝謝謝〟とあまり言わない。言い過ぎると逆に関係が遠い人とみられる」そうだ。

 事例②「初対面なのに呼び捨てにされたり、年下から〝君づけ〟で呼ばれたりする」。河合氏本人も最初は「何だ!」と思ったが、「敬称をつけるとよそよそしく垣根をつくるため、初めから呼び捨てにすることはよくあること」。事例③「せっかく食事を作ってあげたのに食べない」。中国では火を通していない生ものを口にする習慣がなく、食事の組み合わせも大切という。「中国人をラーメン店に連れて行き、セットメニューを頼むと嫌がる。ラーメンもチャーハンもギョーザも中国人にとっては主食だから」。

 事例④「中国人が水着で温泉に入ってきた」。中国では全裸で温泉に入る習慣はないという。事例⑤「中国人観光客はホテルでとにかくうるさいし、順番を守らない」。河合氏は公共意識がまだ十分でないことを認めながらも「中国人にはにぎやかなのはいいことという思いが強い」と指摘する。だけど「郷に入っては郷に従って」ほしい気もするなあ。事例⑥「社員が副業する、すぐ辞める、会社のものを使い込む」。中国の人間関係は家族中心で、次いで友人、そして企業の順番。「日本の企業文化は必ずしも通用しないと意識する必要がある」。

 河合氏は中国イメージ悪化の背景には「マスメディアの偏向報道もある」と指摘する。「よく中国を知る人の中には最近の報道に苦笑している人も多い」。さらに「中国について何も知らない人ほど中国を快く思っていない傾向が強い」とも話す。今後の課題として①中国の社会、文化に関する知識を増やし、互いの差異を意識し譲歩していく②偏向報道に警鐘を鳴らし別の角度から中国を捉える目を養う③草の根の交流を推進する――の3つを挙げた。

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