【地中海沿岸原産の洋野菜、和名「キバナスズシロ」】
アブラナ科キバナスズシロ属(エルーカ属)の1年草。若葉をそのまま野菜サラダやサンドイッチに挟んで生食するほか、炒め物、おひたし、ピザ、パスタなどにも使われる。煎りゴマのような風味とクレソンのような辛味があり、カルシウムや鉄分、ビタミンCなどを多く含む。最近は店頭でもよく見かけ家庭菜園で育てる人も増えてきた。
1年草で秋蒔きなら春に、春蒔きなら夏に花を付ける。アブラナ科共通の特徴でもある十字形の4弁花で、淡いクリーム色に紫色の筋が入る。品のある花姿からヨーロッパでは「貴婦人のスミレ」と呼ばれているとか。花も食べることのできるエディブルフラワー。葉の形は大根に似ており、「キバナスズシロ(黄花清白または黄花蘿蔔)」(スズシロは大根の古名)という和名が付けられている。
原産地は地中海沿岸地方から西アジアにかけて。イタリヤ、フランス、エジプトなどではサラダに欠かせない生野菜として人気が高い。栽培の歴史は古く、古代ギリシャや古代ローマ時代には既に栽培されていた。媚薬効果がある薬草としても珍重されていたそうだ。絶世の美女といわれるクレオパトラもルッコラを好んだという。
ルッコラはイタリア名で、「ルーコラ」「ルコラ」とも呼ばれる。イタリア語の「ルケッタ」に由来する。ルッコラの英語名は「ロケット」。学名から「エルーカ」とも呼ばれる。日本ではルッコラのほか「ロケットサラダ」という名称でも知名度が高まっている。(写真は愛知県在住のS・Eさん提供)