く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ヘイシソウ(瓶子草)> 北アメリカ原産の食虫植物

2015年06月25日 | 花の四季

【「サラセニア」とも、個性的な姿や葉模様から観葉植物としても人気】

 北アメリカの東部から南部にかけて分布するサラセニア科サラセニア属(ヘイシソウ属)の食虫植物。和名のヘイシソウは筒状の葉の形がお酒を入れる細長い容器「瓶子(へいし)」に似ていることによる。ただ、その和名より学名から「サラセニア」の名前のほうが広く定着している。

 その名は最初に標本をヨーロッパに送ったカナダ人医師・自然科学者のミシェル・サンザン(1659~1734)に因む。英名は「ピッチャープラント」。サラセニア属は大西洋側に沿って8種が分布するが、いずれも個性的な形状から観葉植物として人気が高い。中でも上部に網目模様が入る直立性の大型種「レウコフィラ」(写真)は日本で「アミメヘイシソウ」と呼ばれ、生け花の花材としてもしばしば用いられる。

 「捕虫葉」とも呼ばれる筒状の葉の上部の内外には昆虫をおびき寄せるための蜜腺がびっしり分布する。しかも内側の上部は滑りやすく、下の方には細長い毛が下向きに生える。そのため、一度中に入った虫たちは二度と出られず溺死または餓死してしまう。筒の底の部分からはプロテアーゼなどの蛋白分解酵素が分泌されており、虫の死体は養分として消化吸収される。雨水が流入して消化酵素が薄まると、バクテリアが大量に増殖して分解し、吸収しやすくするそうだ。

 花は葉の付け根から長く伸びた花柄の先に1つずつ付く。アミメヘイシソウの花色は赤褐色。「プルプレア」と呼ばれるものも似た花色で、「ムラサキヘイシソウ」の和名が付けられている。小型種の「プラバ」は黄色い花色が特徴で、「キバナヘイシソウ」と呼ばれる。いずれも冬には地上部が枯れて休眠する。ヘイシソウの花言葉は「憩い」のほか「変人」「風変わり」。その独特な姿形から変わり者扱いされるのだろうか。

 

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