【ハイビスカスの一種、別名「コーラル・ハイビスカス】
アオイ科フヨウ属の熱帯花木。原産地は東アフリカのタンザニア沖ザンジバル島やケニア・モンバサといわれる。ブッソウゲはハイビスカスの別名。風雅な和名は真下に伸びた長い花柄の先の球状の花を風に揺れる風鈴に見立てたもの。下に垂れ下がった長い雌しべが短冊などを吊るす風鈴の舌(ぜつ)のようにも見える。
高さ1~3mの常緑低木。花期は熱帯地方では周年、沖縄でも3月から11月ごろまでと長い。赤い5枚の花弁が深く細かく裂け大きく反り返って、直径10cmほどの球形となる。その花色や形が海の赤いサンゴに似ているとして「コーラル・ハイビスカス」とも呼ばれる。沖縄ではこの花を「アカバナー」と呼んでいるそうだ。
ハイビスカスは通常1日花で翌日にはしおれてしまうが、この花は数日間咲き続ける。学名は「ヒビスクス・スキゾペタルス」。「ヒビスクス」はハイビスカスのこと。「スキゾペタルス」はラテン語で切れ込みのある花弁を意味する。英名は花びらのギザギザの縁取りから「フリンジド・ハイビスカス」。漢名は「吊燈花(ちょうとうか)」。
フウリンブッソウゲは交配親として「コーラル系」と呼ばれる様々なハイビスカスの作出に貢献している。大輪の「ハワイアン系」が暑さにやや弱いのに対し、コーラル系は暑さに強く、もう一つの「オールド系(ヨーロッパ系)」とともに挿し木で殖やすこともできる。沖縄の「伊江島ハイビスカス園」ではこの3系統に、独自に交配した〝伊江島オリジナル〟も含め約1000種のハイビスカスを展示。(写真は沖縄の世界遺産「今帰仁城跡」で)