【金剛峯寺に至る〝蛇腹路〟はモミジのトンネルに】
半年ぶりに高野山へ。900mの山上に広がる一大宗教都市の高野山は紅葉狩りの人気スポットでもある。例年、見頃の最盛期は10月下旬~11月上旬とのこと。だけど間に合った! 11月中旬に入ってイチョウの黄色い葉はかなり落ちていたが、紅や赤、橙色のモミジはまだ見頃で壇上伽藍に華やかな彩りを添えていた。
壇上伽藍は奥之院とともに弘法大師(空海)が開いた真言密教の聖地。金堂や根本大塔などが威容を誇り、開創1200年に当たる2015年には中門が172年ぶりに再建された。色とりどりのモミジがこれらの壮麗な建造物や静かな佇まいの六角経蔵などを一層美しく引き立てていた。秋季企画展「『真田丸』の時代と高野山」を開催中の高野山霊宝館の周辺もモミジで明るく彩られていた。
最大の見どころは壇上伽藍から高野山真言宗の総本山・金剛峯寺に向かって東に伸びる〝蛇腹路〟と呼ばれる参道。半年前の5月には瑞々しいモミジの若葉に覆われていたが、今は燃えるような赤いトンネルになっていた。空海は高野山の地形を「東西に龍の臥せるがごとく」と形容したという。壇上伽藍を龍の頭とすれば、この参道が龍の腹の部分に当たるとして蛇腹路と名付けられたのだろう。11月30日まで夕方5時以降ライトアップされているそうだ。まさに幻想的な光景に違いない。