く~にゃん雑記帳

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<ソプラノ藤原のり子さん> 大阪・天満教会で「いざよいコンサート」

2017年04月14日 | 音楽

【日本歌曲を叙情的に「白鳥の歌」「荒城の月」「初恋」「早春賦」など】

 大阪市北区の天満教会で13日「藤原のり子のいざよいコンサート」が開かれた。主催は1995年に梅原猛氏、小松左京氏らの呼び掛けで設立された「藤原のり子の日本歌曲の会」。藤原さんは東京藝術大学音楽学部声楽科卒で、同会を基盤に日本歌曲の素晴らしさをもっと多くの人に知ってほしいとの願いを込めコンサート活動を続けてきた。この日のコンサートは約1年半ぶりで、岡田春恵さん(ピアノ)と三木麻帆さん(シンセサイザー)が伴奏を務めた。

 コンサートは副題に「MIWAKOに捧ぐ」。MIWAKOはコンサート活動を支えてきた姉の丸山美和子さんのことで、ちょうど1年前のこの日に病気で他界した。コンサートに先駆け同教会で「しのぶ会」も開かれた。コンサートは2部構成。第1部ではその姉が大好きだったという『もう春だ』(夢虹二詞・中田喜直曲)で幕開けした。のり子さんが身に着けた緑色のドレスは姉の着物の帯を仕立て直したという。

 

 次いで『埴生の宿』『白鳥の歌』『荒城の月』『津軽のふるさと』と続いた。豊かな声量と伸びやかな高音。歌詞に込められた叙情的な情景が目に浮かぶようだ。日本語の美しい響きにも改めて気づかされた。藤原さんは「じーばーず」という合唱団を結成し、病院や東北の被災地などでも演奏活動を続けてきた。第1部の後半はその「じーばーず」も登場し、最初の『歌ごよみ』では観客と一緒に『どこかで春が』『朧月夜』『村祭』など9曲を続けて合唱した。次いで『むこうむこう』『からまつ』、そして姉美和子さんが好きだったという『翼をください』で締めくくった。

 第2部は華やかなピンクのドレス姿で登場した。皮切りは石川啄木の『初恋』、続いて子守唄2曲、夏川みりのヒット曲『童神(わらびがみ)』と北原白秋の『揺籃(ゆりかご)のうた』。藤原さんは日本歌曲について「西洋の歌曲は愛をテーマにしたものが中心だが、日本の歌曲は花鳥風月を愛で自然の美しさを歌ったものが多いのが特徴。その詩歌にぴったりの音楽が合体して生まれた」と話す。この後の演奏曲は『早春賦』『平城山』そして『落葉松』。これまでのコンサートではこの『落葉松』が締めの曲だったとのことだが、続いて『涙そうそう』を披露した。姉を偲びながらしみじみと歌った後、そっと涙をぬぐう姿が印象的だった。最後の1曲は東北の被災地でも歌った『おひさま~大切なあなたへ』。「♪あなたは私の奇跡 あなたは私の希望~」。藤原さんの明るい笑顔と優しい語り口もあって、ほっこりと心が温まるコンサートだった。

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