く~にゃん雑記帳

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<唐古・鍵ミュージアム> 春季企画展「弥生遺産Ⅴ 初期調査の遺物」

2017年04月26日 | 考古・歴史

【楼閣の屋根を描いた新たな絵画土器片! 発掘速報展も同時開催】

 奈良県田原本町の「唐古・鍵考古学ミュージアム」で春季企画展「弥生遺産Ⅴ 唐古・鍵遺跡初期調査の遺物~補遺」が始まった。同遺跡は弥生時代を代表する国内有数の環濠集落。これまでに121次の発掘調査が行われ、同町が保管する出土品は優に1万箱を超える。今回の企画展では再整理によって見つかった遺物群も展示中。その中には楼閣の屋根が描かれた新たな絵画土器の破片(写真)も含まれている。

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 楼閣が描かれた土器片はこれ以前にも3点見つかっている。1992年に渦巻き状の屋根(下の写真)と柱・階段の一部が描かれた2点、そして2000年には高床式の建物の柱と屋根の一部が描かれた1点が出土した。今回の土器片は92年の出土品の再整理中に見つかったもの。大きさは6.1×3.7cmで、屋根とみられる左下がりの13本と柱1本が線刻で描かれている。

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 田原本町教育委員会は胎土の色や厚さなどから過去に見つかった絵画土器片と同一とみている。ただ異なる斜線の間隔などから、同じ土器に楼閣2棟と寄棟大型建物1棟の計3棟が描かれていたと推測、唐古・鍵遺跡の集落に首長の居館とみられる大型建物を中心に2棟一対の楼閣が建っていた可能性が出てきたと指摘する。出土した土器片4点の傍らには楼閣など3つの建物が描かれた壷の復元品も展示している。一方、一部専門家からは「一つの楼閣を描いたものでは」「中国からの伝聞を基に描かれたのでは」といった異論も出ているようだ。

  

 再整理で見つかったものとして、赤色顔料が付着した土器(上の写真㊧)や土製武器鋳型外枠片、高坏(たかつき)形土製品片なども展示している。また「発掘速報展2017」として、2015~16年度に行った唐古・鍵遺跡の116~121次調査や寺内町遺跡(田原本町)、豊田狐塚古墳(天理市)などの出土品も展示中(写真㊨は豊田狐塚古墳の玄室から出土した須恵器)。会期は5月28日まで。

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