く~にゃん雑記帳

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<薬師寺> 国宝東塔の解体修理現場を最終公開!

2019年04月30日 | 考古・歴史

【工事は95%完了、来年4月に落慶法要】

 法相宗大本山の薬師寺(奈良・西ノ京)で、解体修理中の国宝東塔の一般公開が始まった。〝凍れる音楽〟と形容される東塔は約1300年前の天平年間の創建。今回の修理は明治時代以来約110年ぶりで2009年に始まった。これまでに工事の95%が完了、塔上部には奈良時代の水煙に代わって新しく製作された水煙も取り付けられた。東塔を覆う巨大な素屋根も夏から解体が始まる。今回の公開が完成間近の東塔を上から間近に見ることができる最後の機会とあって、連日多くの見学者でにぎわっている。5月6日まで。

 現場公開は4月27日から始まった。訪れたのは3日目の29日正午すぎ。工事現場の入り口前には長い行列ができていた。係員から見学整理券を頂いた。整理番号「8748」。初日からの通し番号とのこと。入場できるのは「多分30分後」とのことで、その間、薬師三尊像(国宝)や弥勒三尊像(重文)にお参りした。戻って白いヘルメットを着用し、いよいよ現場内へ。塔の高さは相輪を含めると優に30mを超える。木造の足場の階段をぐるぐる回って、ようやく三層(一番上の屋根)と同じ高さまでたどり着いた。

 

 東塔に使われている屋根瓦は約6万枚。それらを全て取り外したうえ目視や打音検査で破損状況を確認した。その結果、ほぼ3分の1に当たる1万9000枚を新しい瓦と取り替えたという。屋根の四角に据えられた上下2つずつの鬼瓦は「昭和・室町」「明治・平成」「平成・室町」など様々な時代のものが組み合わせられていた。屋根の中心から高く伸びる相輪の上部に青銅色の水煙が見えた。3月上旬の新旧水煙の同時公開で、透かし彫りの飛天など華麗な装飾を見たときの感動が甦ってきた。この水煙が最上部の宝珠とともに、これから先東塔を長く守っていく役目を担う。

 

 東塔の高さは今回の解体修理に伴って約34mから1m高い約35mになった。創建当時から残る基壇(約13m四方)をコンクリート板で覆って新しい基壇を造ったことによる。地盤が軟弱で柱を支える礎石の一部が不等沈下していた。工事費用の総額は約30億円。そのうち公費による補助を除く10億円を寺側が特別写経による勧進で賄う。納経料(一組2巻)は1万円。写経2巻のうち1巻は東塔内陣の棚に納め、もう1巻はインド・ブッダガヤの日本寺に納める。これまでに集まったのは東塔に納める予定の10万巻のうち8万巻分という。公開現場の一角にも写経用紙がうず高く積まれ、僧侶が見学者に協力を呼びかけていた。落慶法要は1年後の2020年4月22~26日の予定。

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