J市に住むT子さんと家内とは50年続く お喋り友達。
職場の友として出会った昭和33年 共稼ぎ家庭、子育てしながら働く女性に対する周囲からの理解が少ない中で、同じ境遇にあった二人がお互い仕事や育児について支えあう仲となり、今も当時と同じ気持ちが通い合っている。
退職後は 長電話でのお喋りが主で、直接会うのは、年に1~2回程度、会っても帰宅後に長電話 お喋り中の雰囲気は今も昔も変わらない。 お喋りの最後は 「さようなら」の代わりに「転ばないように」が最近の合言葉。
お互い地味な性格 仲間同士での旅行、食事 流行を追う買い物などを楽しむタイプではないが、数年前 デパートへ迎えに行った折のこと、お茶でも飲みながら ゆっくりとお話中かと思いきや、お金がないわけでもなかろうに、レストラン近くの長椅子に腰掛けてお喋り中。
二人は 爺に向かって 「今日は楽しかった」と一言。
50年 積み重ねられてきた 誰も知らない強い絆が 二人を結んでいるのであろう。爺も、T子さんのご主人も うらやむ 素朴な間柄。