私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

弟宇迦斯<オトウガシ>が・・・・

2019-06-26 08:16:20 | 日記
 宇陀には「兄宇迦斯」と「弟宇迦斯」二人の兄弟がいたのですが、この二人は性格が違っていいて、天神御子「ジンム」に対して、兄の方は強硬に排撃しようとしていたのですが、弟の方は、反対に、従順の意(こころ)を持ってこれに対応しようと思っていたのです。それですから、事前に兄がジンムの殺害計画を知って、すぐさまに、ジンムの所に駆けつけ、 兄は

        “作大殿。其内張押機。将待取”

   <オホトノヲツクリ ソノウチニ オシヲハリテ マチトラムトス>

 「あなたを殺そうと、密かに、仕掛けを廻らせています。」と。

       “故参向顕白<カレマイムカヘテ アラハシマヲマスト モウシキ>”
 
 その計画の一部始終を詳しく伝えます。その兄宇迦斯の計画を知ったジンムはすぐに
  
        「道臣命」と「大久米命」に
 
 その征伐を命じます。早速、この二人は兄宇迦斯を呼びつけて 
        “罵詈云<ノリテイヒケラク>”
 と古事記には書いてあります。「罵詈」は「ひどく叱りつけて言う」事を意味しています。<バリ>という漢音ではなく、敢て、これを<ノリテ>と訓読みにしています。これも古事記の作者の意図だと思いますが?????

 この事を考えてみると、ジンムが「宇陀」に着いた時には、この兄弟は仲違いをして、二つの勢力がお互いに対立していたのでしょうか、一枚岩で無かったのがジンムには幸いしたのでしょう。
 このようにジンムの東征には、何時も、数々の僥倖が付き纏っていたのだと言わざるを得ませんね。天神御子<アマツカミノミコ>だったということを意図的に強調したのかもしれませんね。