トヨタが少し変わってきているのではないだろうか。
大震災、円高などで12年3月期の営業利益36%減の見通し
電力不足の広がりに産業界は懸念を強めている中で、トヨタ自動車の豊田章男社長は10日、記者団に対して「安定供給、安全、安心な電力供給をお願いしたい」と訴え、円高に加えて電力不足が広がる現状に、「日本でのものづくりが、ちょっと限界を超えたと思う」と危機感を漏らしたと報道されている。
これまで、豊田章男社長は、「日本でのものづくりにこだわる。」と繰り返し強調してきたが、今回の記者会見での言葉は、徐々に考え方が変わってきていることをにおわせたものと注目される。
トヨタが10日発表した2012年3月期業績予想では、国内事業のもうけを示す単独の営業損益を4千億円の赤字を見込んでいる。この赤字は円高の進行による輸出採算の悪化が原因で、円高の耐久力を高めるために、トヨタとしては、抜本的に海外移転するかどうかの検討が正念場を迎えていると報道されている。
気になるのは、トヨタはこれまでも海外生産を大胆に展開してきた経緯がある。リーマンショック以降は、国内生産を工場のライン休止などにより、縮小してきたが、国内工場の閉鎖や正社員の大規模リストラまではやってきていない。ところが1ドル80円の水準は日本でのものづくりの限界を超えていると言われる。加えて、今回の電力問題が出てきた。
もしトヨタが海外移転の方針を出すようなことになると、ことは重大である。トヨタの正社員だけでなく、トヨタを支えてきた系列のサプライメーカーへの影響は必死である。ぜひ何らかの工夫で持ちこたえてもらいたい。
今後の円相場とトヨタの動向から目が離せない状況が続く。
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