自動車部品の共通化を進める報告書が公表された。
国主導で部品の共有化は進んでいくのだろうか。
この問題は、部品メーカー、特に、2次、3次部品メーカーに重大な影響を与えそうな問題だ。
経済産業省と自動車、素材メーカ首脳らが参加する「自動車戦略研究会」がメーカの垣根を越えた自動車部品の共通化を進める報告書を6月10日に公表した。果たして、国主導でメーカーの垣根を越えた自動車部品の共通化は進んでいくのだろうか。
報告書には、東日本大震災で自動車部品のサプライチェーンが寸断されたことを教訓に、自動車各社や自動車部品、電機、電池、化学品などの業界団体が集まって共通化に向けた協議を進める協議会を経産省が主導して設置することを明記していると報道されている。
同研究会は各メーカーの部品が独自仕様であったため、サプライチェーンが寸断された際、代替品が調達できず、生産停止や大幅な減産に追い込まれたと考えており、そこで部品の共通化を行えば、特定の部品会社が生産が出来なくなっても、他の部品会社から調達できると考えているようだ。
今、事業継続計画(BCP)が重要視されている。その急所は生産の復元力だと言われています。
いかに早く元の事業体制を回復できるかということです。更に、この継続計画でもうひとつ重要なことは、いかに代替生産または代替品の調達ルートを確保できるかということです。
この部品の共通化、代替生産及び代替品の調達ルートを確保ということは、部品の共通化が競合他社との差別化が困難になるということです。差別化が出来なければ、シェア、規模のメリットが優先されます。
また、代替生産、代替品の調達ルートの確保では、部品会社の全面的な協力が得られるかどうか、と言う問題が出てくると思われます。協力会社は、いつ他に代えられるか分からないのでは、安定した経営が出来なくなります。継続的に注文してくれる取引先を優先的に考えるのは当然なことです。
今までは差別化ということで、一歩でも2歩でも先にあるオンリーワン企業になることが中小企業の生き残るための戦略だった。ところが、事業継続計画を第一に考えるとそれが欠点になってしまう。今、特に、中小製造業は企業戦略を見直すことになるのかも知れない。
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