東日本大震災を契機に、企業のリスク管理が変わったのか?
経営機能の分散を図る企業が増えてきたと言われる。
東日本大震災は、製造業のサプライチェーンに打撃を与え、また、被災地では物流網が破壊され、極端な品不足が起き、被災者に甚大な影響を与えた。
ただ企業の判断は速い。震災を機に、「経営機能の分散」の重要性が改めて認識され、行き過ぎた経営資源の集中を見直す動きが、産業界全体に広がっていると言われる。
ある経済誌によると、そのパターンを、次の5つに大別している。
①生産拠点の分散・・・1カ所しかない工場が被災すれば、製造業としての活動は停止する。
②調達先の分散・・・部品の購入先が1社しかないと、自社が被災しなくても、生産が滞る。
③物流機能の分散・・・建物の耐震性が高くても、1カ所に集中している限り、荷崩れなど大きなダメージを受ける。
④売り先の分散・・・被災の影響で国内市場の低迷が当面続くことを見据え、内需依存度が高い企業が海外展開を加速させる動きが目立ち始めている。
⑤その他機能(本社、データーセンターなど)の分散
これらの分散の動きは、これまでの「従来型集中経営」は、経営効率は高いが、不足の事態に弱いことが明らかになり、今後、不足の事態に強く、経営効率も高い「強い分散経営」への転換を目指しているものだ。
いずれにしても、震災後、分散ブームが広がっていることは事実であり、この5つの機能分散は、当面の企業の目指す方向であることは間違いないようだ。
これまで多くの日本企業が推進してきた「集中経営」のメリットよりも、弱点をカバーして「強い分散経営」が、日本に定着するのか、今後の動向から目が離せない。
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