

「ぢぇぢぇJさん!大丈夫?」
昨日の炎天下の野球を心底心配して、Jの帰りを待っていました。
声が枯れて、発声(笑)も困難なようです。
「はい、これ」
「えっ」
好きだと言っている「とりいさんの芋ケーキ」を下げています。
(クスン)私がJを捨てられない甘い訳です。
「○ちゃん、夜はソウメンでいいから・・・」
暑いのは二人とも同じだから手を抜いてもいいと言っているのです。
ソウメンをすすっていると、携帯が鳴りました。
滑って落として、出るのが遅れました。
やっとこさつながったところで、「ばーちゃん!おたんじょうびおめでとう」
少し間があって、♪はっぴばーすでいつぅゆ♪が始まりました。
二歳八ヵ月とは思えない(クスクス)かなり鮮明な歌声に固まってしまいました。
孫のHの歌声でした。
三歳で母方の祖父に連れられ、裏町の居酒屋で流行歌(はやりうた)を歌っては、酔客に喝采を浴びた私に似ているのではないか?
呆然と立ちすくむわたくしを引き戻したのは嫁のYちゃんの声でした(笑)
「おめでとうございます」
「ありがとう。ちょっとウルウルしてしまって」
「S(息子)さんの発案です。Sさんに代わります」
「いやぁ、S君ありがとう。節目の歳なので母はちょっと嬉しい」
「いやぁ、まぁ・・・」
そんな短い会話でしたが、息子家族の一致団結した思いやりに感激したそうめんの夜でした。
それにしても娘はいずこに。
母を忘れて何処をさまよっているのでしょう(笑)
週末からロング休暇だから、お母さん、お祝いをしましょうと行ったきり音沙汰無しになりました。
「後十年」を滑り出した私に、自立の難しさを知らしめながら、深い森の扉はギィ~と音を立てて、開かれて行ったようです。


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