開場前から並び、
例月より少ないかな、と思いつつ40人前後の入り。
前説(生喬)
仕事で沖縄に行った話、
北九州の「日本有数のヤンチャな中学校」の仕事の話、
丁度昨日発表のあった「繁昌亭大賞奨励賞」の話。
「七段目」(南天):○-
この会では珍しく、マクラをかなり振る。
嫁さんとの話、九州での落語祭の話、
ネタに関わるところで「ミュージシャンのコンサートとの比較」の話。
面白いのだが、全体に常時押して来る感じで、少し疲れる。
このあたりはマクラを多く振る機会を増やすことで、
押し引きのバランスの感覚はまた戻ってくるのでは、と思う。
やり慣れていないネタらしい。
如何にも歌舞伎らしい「整った」所作ではないが、
芝居の好きな若旦那、それに困り果てている親旦那、という作りが明確。
芝居の動きも大きく、若旦那が楽しくやっていることが伝わる。
歌舞伎をそれっぽく見せる、も一つのやり方だが、
「父親と子どもの絡み」を主題にするのも普通のやり方では、と思う。
葬礼差しは紐で抜かないようにする。
抜けないことに気付いた時に必死に解くのは、
それはそれでありだろうな。
個人的には、若旦那が「裏門」から芝居の真似に入り、
丁稚が上がった時は五段目の猪の真似をしている、
丁稚が六段目の二人侍で入る、
なので次は七段目の真似をする、という流れの方が
(猪の真似をする馬鹿らしさも含めて)好みではある。
「池田の猪買い」+踊り「桃太郎」(生喬):△+
南天がけっこう長かったので軽く「医食同源」の話をしてネタへ。
二日酔いの時にカレーを食べる、といった話は以前もここでやっていたので、
客席に少し「前も聞いた」感じが広がってしまったように思う。
ネタは、これまたやり慣れていないネタのようで、
「なるべく温い恰好をしてくるように」の仕込が抜けたり、
六大夫さんが「何ぼほど要るのじゃ」を早く言ってしまったり、
といった粗さが目に付く。
また、アホの造型もイマイチ一貫していないようで、
そこを個々の間の置き方や強弱の付け方、
ギャグで細かいウケを取ってどうにかつないでいった、という印象。
個別のギャグ、
「(灸の代わりに)猪の身を据える」など面白いものもあったが、
ネタ全体の出来としてはあまり良くないと思う。
珍しいものを見られた、とは思ったが。
その後踊り「桃太郎」。
当て振りも多い、ごく軽い踊りだが、
確かにこういった踊りの方が奥深いかも知れない。
対談「夕焼け日記」(生喬・南天)
マクラをどの程度振るか、
振らない方が良いのか、
どのようにネタに入るのが良いか、といった話。