
本が読みたい
甘いキャンディを
一粒
口に
含むように
ココロが
渇いた
サインに
気づいたら
お気に入りの本棚から
お気に入りの一冊を
立原えりかさん
童話作家であり
舞台女優でもある
きっかけは
何だったのだろう
たしか
あれは
小学校の
図書室だったかしら
自身の名前とは
対照的な
可憐なお名前と
儚くもカラフルな
装幀に
つい手に取っては
ブーケのように
抱えたっけ
短編詩集と
いうコトも
あって
テンポよく
読み耽っていると
ふと
気がついた
これは
ファンタジィ
でも
メルヘンチック
でも
なく
花には
種類に
よっては
棘や
毒が
ある
そして
終わりがある
花のように
可憐な少女のコロ
にも
憎しみや
哀しみは
正当に
抱いて
いいんだと
でも
責任持って
それを
越えなさいな
そう
諭す
オンナ道
や
人生論の
別のカタチ
途中からは
そんな
気がして
ならなかったのだ
いま
読み返すと
それは
確信へと
変わった
本は
教えてくれる
いま
己に足りぬコトバ
いま
生き抜くために
背中を
押してくれるコトバ
花言葉を
欲するような
直感で
見開いた
1頁に
今日を生きる
ワタシへの
助言を
きっと
見い出すだろう
すっかり
オトナになっても
残酷な少女で
いたい
と
往生際の悪い
この
オンナへの
美しくも
鋭き
コトバ