
桜ロスに
陥る間もなく
庭の
花水木が
開きはじめた
小ぶりで
立派とは
言い難い
ちょっと
個性派
だけど
漲っている
伝わってくる
生きようとするチカラ
咲き切ろうとするチカラ
春は
躍動感を
連れてくる
誰かが
何処からか
目の前に
起こる
展開に
ただ
日々を
こなして
達成感や
充足感を
実感できてない
鉛人間には
時として
眩しすぎて
遣る瀬無くなる
春に
呑みこまれずに
渦に
飛び込まずに
何処へも
行けない
鉛人間は
それはそれで
なんらかの
標べにでも
なれるだろうか
枠にはまらず
空をつきやぶり
そうな
この
一本の
シンボルツリー
の
ように