
待つ。
というコトを
知る
待つ。
という愉しみを
識る
差し出されたる
青き実は
食べ頃は
二、三日
先ですよ
そう
微笑まれ
いえいえ
酸っぱいのも
青臭いのも
季を味わう
オツなもの
ですわ
そう
強がる
クセが
ついていた
食べたい時が
美味しい時
そう
己の
感覚だけを
信じていた
その時を待つ
時が熟する
歓びを
報ると
己だけでは
見い出せない
悦びを
識る
美味しいねぇ
えぇ
美味しいわ
そう
微笑み合うコト
の
悦び
も
重ねて
差し出されたる
赤き実が
さぁ
どうぞと
覚悟を決めて
並んでる
いま
食べなければ
朽ちてしまう
いま
食べなければ
握り潰して
しまいそう
微笑み合える
片割れ
よ
君の
欲する
季は
いつ
かしら