先日
訪れた
長崎県美術館
にて
ミナペルホネン
とは
対極じゃね?
と
云わんばかりの
鴨居玲
没後30年展が
所蔵品を
中心に
開催されていて
悦びが
何倍にも
膨らんだ
あれは
いつだったろう?
ほんとうの
哀しみ
も
孤独
も
老い
も
知らない
子どもの頃に
~わたしの話を聞いておくれ~
を
偶然にも
見た時に
それから
目が離せなかった
これは
きっと
ヒトが誰しも
持って生まれてくる
黒い塊
なんだろうな
なんて
腕の鳥肌を
摩りながら
眺めていたモノ
だ
あれから
鴨居玲
は
きっと
死に場所を
探しながらも
死に物狂いで
自分の
血肉を
千切り
用いるかのように
生きた証
を
遺して
逝ってしまったのだろう
鴨居玲らしい
地下室みたいな
作品の中に
あれ?
と
すこしだけ
意外性と
安堵感を
感じたのが
こちらの作品
~恋人たち~
きっと
カレにも
信じたい
ひとすじの光
とか
つかの間
羽根を休める場所
が
在ったで
あろうコト
を
祈る瞬間を
切り取っているようで
しばらく
作品の前から
動けなかった
いい人生だった
そう
最期の時に
呟けるような
上質な
瞬間を
見出せるような
生き方を
していきなさいな
って
展示室を
出る時に
囁きが
聴こえた気がした
カレの自画像が
最初に
見た時よりも
すこしだけ
優しく
見えた気がした
こんなカタチで
青い炎のように
生き抜いた
鴨居玲に
また
触れるコトが
できて
ほんとうに
よかった