見慣れない
バスを
見つけると
ハーメルンの笛吹き男
に
出逢ったみたいで
ふいに
ついて行きたくなる
とても
愉しい場所へ
とても
遠い場所へ
連れて行って
くれる
気がするから
フワフワした
キモチ
と
探偵みたいな
キモチ
を
抱き合わせたまま
後ろを
ピタリ
ついて行くと
ふいに
バスは
路肩へ
減速し
ワタシに
道を空けてしまったのだった!
あぁ
鼠にも
少年少女たちにも
なれないまま
自身の帰路は
自分で
決めなさいな
そう
諭されたようで
拍子抜けだ
大きく溜息をついて
振り返ると
さっきまで
居たはずの
島の果てに在る
灯台が
遠く
小さく
光を放っていた
誰のせいにもせず
誰かに委ねるコトも無く
誰を待ち侘びる訳でもなく
誰とも違う割には
平凡な
日常へ
舞い戻る
遠くで光るモノは
ワタシから
どんどん
離れていく
灯台
バスのヘッドライト
冬の夕暮れの1番星
光るモノは
遠くに在るから
いいのかもしれないねぇ