
「ステキなレディになりなさい」
命令ではなく
餞の言葉のように
そのヒトは
云った
まだまだ
知らないコトばかり
なのに
自信ばかりが
まさっていた
ワタシは
その時
すこし
不貞腐れた気がする
でも
いまなら
その言葉の意味も
それに込められた
願いも
すこしだけ
解る気がする
だれかに
なにかを
望む時
その
だれかが
大切なヒトならば
その
だれかは
自分と同じくらいの
意味を持つ
放たれた言葉や
感情は
いつか
自身に
還ってくるから
きっと
そのヒトは
ワタシに
与えるでもなく
自身にも
課すように
あの時
あの言葉を
くださったのだろう
あれから
ステキなレディに
近づいたかも
定かではないけれど
あの言葉を
忘れずに
いるだけでも
日々の中で
背筋をシャンと
伸ばす瞬間を
意識させて
貰えていると
想う
ヒンヤリした言葉も
いつしか
体温によって温められ
御守りみたいな言葉に
変わったようだ
それだけでも
じゅうぶん
成長させて
貰えた
気がする