海山の創作ノート

工房T 海山の書、印、絵、版画、工作、etc.日々の暮らしの中で出来た作品を紹介します。 さて、今日は何を作るかな。

No.923 印「杜」

2017-07-14 | 


印「杜」
印材を「試しに」と頂いたので、早速刻しました。

写真の左側の印材が、よくある青田石という篆刻初心者が使う印材です。
これが、もっとも安価で刻し易いので、はじめての人にはこれを薦めていましたし、実際に授業でも使っていたのがこれです。

最近この印材を購入してみて驚きました。

なんと値段が倍以上になっています。同じ業者の同じ商品ですが、写真(左側)のこの大きさが、2.3㎝角で、以前は100円ちょっとで買えました。

しかし、今回は正価440円。(もちろん正価では買いませんが)
割引いても2倍以上なのです。

最近の中国書道用品はどれも値段が高騰しています。
硯、筆、紙、…。印材がこれほどとは思いませんでした。

しかも、高くても質が良ければまだ許せるのですが、不純物が多くて刻しづらくなってもいます。

これでは使いにくいのです。

そこで、業者に、他にちょうど良い印材はないものかと、持ってきてもらったのがこの石です。

印材の名前はわかりません。
くすんだ濃い緑色で、透明感があります。凍石系です。中国には、○○凍石というのがたくさんありますから。

石質は均一です。不純物が含まれていないようです。

写真の大きさが2㎝角。これで正価220円。これなら、金額的には妥当です。

問題は刻し易いかどうか。

という訳で早速刻してみたわけです。

刀を入れた瞬間、「ねばるな!」と思いましたが、慣れてしまえば案外柔らかくて初心者には良いかもしれません。

僕にはちょっと柔らかすぎて手応えがない感じです。シャープな線が出にくいかもしれません。前に一度刻したことがある感触です。

ガリガリ、カリカリと音を立てて刻すのが気持ちが良いのですが、…。ちょっと出にくい柔らかさですか。


(印影は「杜」朱文、2×2㎝)