おもしろ印 鶏
金文の鶏です。篆刻といってもいいかもしれません。
スパッと切れて、スッキリした線ができたので、そのまま。
消しゴムでも、この程度のことはできるのです。
それにしても、消しゴム印、なぜかちょっと、はまってしまいました。
思えば、僕がはじめて篆刻として印を刻したのは、16才の時。高校一年生の書道の授業です。
その当時はまだ、中国と正式な国交がありませんでした。
だから、石印材なんてなかなか手に入らず、高価でしたし、高校の授業で、簡単には使えるようなものではありませんでした。(民間交流で中国の書道用品は手には入りましたが、高価だったのです。)
したがって、消しゴムでした。
今でも、はっきりとその形を思い浮かべることができます。
当時としては高級品のプラスチック消しゴム、新製品のMONOを使いました。(それまでの消しゴムは、もっとゴムっぽくて、完全に消すことが難しいものでしたが、MONOは感動ものでした。)
朱文で作りはじめて、段々と線が細くなって、今にして思えば、とても情けないものですが、はじめて自分の印ですから、本などの自分の所有物に押しまくったのを覚えています。
しかし、書作品には、書道部所有の石印材の印を押していました。これは、先生が刻してくれた名の「一字印」ですが、卒業時には、後輩達の為に削られる運命にありました。
だから、その印はもうありません。
そんな訳で、高校時の唯一の印が消しゴム印だったのです。
今、あの印はどこにいったのでしょう?
きっと、引き出しのどこかにあるのでしょうが、どの引き出しなのか…。
探してみようと思います❗
さて、大学生になって、当時の田中角栄総理大臣が中国との国交を正常化してくれたので、書道用品がどっと中国から入ってきて、石印材も手に入るようになりました。
はじめて石印材に印刀を入れた時のことは忘れられませんね!
長くなってしまいました。最後まで、ありがとうございます。
(23㎜×13㎜の消しゴム、赤インク、メモ用紙)