゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

農作業手伝い田園滞在

2009-10-03 12:59:28 | 社会・経済

宿・食事代は不要 WWOOF若者に人気                                            外国人も登録 人手不足の農家歓迎

100_7273 農作業や軽作業を手伝い、代わりに宿や食事の提供を受ける「WWOOF(ウ-フ)」という仕組みを使って、道内の農家などに滞在する人が増えている。農業や自然との振れ合いにあこがれる人の増加が背景にあり、人手不足に悩む農家側も歓迎。都会では味わえない体験と出会いが、若者や外国人を引きつけている。山に囲まれた後志管内蘭越町の荒れ地で、若者が黙々と穴を掘っていた。埼玉県からやって来た戸田実穂さん(22)。9月上旬の1週間、同町で緑化事業に取り組む下島亘さん(46)宅に寝泊りしながら、植樹詐欺陽を手伝った。「自分を見つめ直、いい機会になつた」。戸田さんは汗だくになりながら、笑顔を見せた。故郷の短大を卒業後、介護ヘルパ-として働き始めたが、高齢者への接し方など会社の方針に疑問を持ち退社。ウ-フを介して、人手を探していた下島さんを知った。2007年にウ-フの受け皿(ホスト)となった下島さんは、「自分1人の力には限界があるが、若い人たちの協力があるからこそ、やる気が出る。妻と娘3人でいつも楽しみにしている」。ウ-フの名称は「世界に広がる有機農場での機会」という意の英語の頭文字からとった。金銭のやりとりをせず、労働と宿泊・食事を交換するのが特徴。1971年に英国で誕生。世界40ヵ所に事務所があり、日本事務所は札幌市にある。利用するには、年会費5500円を払い、専用のホ-ムペ-ジで登録。全国のホストの情報を基に、自分でホストと連絡を取って滞在期間を決める。日本の登録者数は02年の開設当初、150人だったが、09年8月には3000人に。20~30代が多く、滞在期間は平均1~2習慣だ。日本の登録者の約半数は日本にいたり、来日を希望する外国人。デンマ-クから下島さん宅を訪れた看護学生ミケル・アンダ-スンさん(22)は「日本の家庭にとけ込めるのが観光旅行と違う。安く度ができるのも魅力」という。ホストになるにも、年会費8500円が必要だが、スタ-ト当初の20件から360件に増えた。このうち道内分は50件。ホスト8割は農家で、道央の野菜農家は「秋の収穫期は人手が必要で助かる」と話す。似たシステムに新規就農を目指す人向けの「農業ヘルパ-」などもあるか、ウ-フは金銭のやりとりがない。8月から道内で働く愛知県の大学生諸戸祐希さん(21)は「目的はお金ではなく、今しかできない経験や出会い」と言い切る。日本事務所の星野紀代子代表は、道内の豊かな自然を広く発信したいという思いから02年に事務所を設立。「都会に飽き、自然で生き方を見直したい人の受け皿になっている」と話している。ウ-フジャパンのホ-ムペ-ジはhttp://www.wwoofjapan.com

コメント

冬だけでない“二セコ” [下]

2009-09-04 17:06:40 | 社会・経済

仕掛け にぎわい創出知恵絞る

100_7258 「車から見る風景とは一味違う。風を切り、山を眺めながらペダルをこぐのは本当に気持ちいい」。友人3人と自転車で後志管内二セコ町内を巡った。横浜市の会社員大田健介さん(27)は笑顔を見せた。視線の先には、夏空に映える二セコ山系があった。

■■■■ □□□□

同町は7月、五ヵ所で乗り降りできる無料貸自転車「二セコグリ-ンバイク」をスタ-トさせた。中古自転車25台を修理し、車体を緑色に塗装、1ヵ月間で約200人が利用した。町は「自然豊かな二セコを楽しむには、環境にやさしい自転車が似合う」と話す。二セコ地域ではここ数年、夏を楽しむイベントやサ-ビスといった「仕掛け」が次々と生まれている。30日から始まる自転車のイベント「二セコサイクルウィ-ク」。二セコ地域の企業に勤める外国人愛好者らが昨年、初めて開催した。山道を集団で数十㌔走ったり、スキ-場の斜面を駆け降りるなどのプログラムが1週間にわたって組まれ、約200人が楽しんだ。今年は台湾からも参加する予定だ。倶知安、二セコ、蘭越の地元3町の事業者か゛連携したイベントも昨年誕生した。9月から10月にかけて開かれる「二セコフェスティバル」。各事業者がサケの遡上見学やガイド付き温泉巡り、星空散歩といった約50もの体験メニュ-などを用意し、滞在客に「毎日何かが楽しめる二セコ」を売り込む。10月には地元食材を集めた青空市場を2ヵ所で開催、実行委は「閑散期ににぎわいを創出したい」と意気込む。

■■■■ □□□□

冬だけの「季節商売」だった飲食店にも変化が見られる。倶知安町ひらふ地区では、通年営業する店がここ数年で倍増、今夏は40店ほどになった。シ-クレットレストラン「KAME」もそんな一つ。冬には外国人客が殺到、なじみ客を断ることもしばしばだった。客が減るのを覚悟で約4㌔離れた場所に移転、通年営業に切り替えた。オ-ナ-の原田朋久さん(44)は「夏も予想以上に来てくれる。口コミで知った日本人滞在客も多い」と手応えを感じている。夏観光の魅力が増し、滞在客は増える傾向にはあるが、倶知安町の夏季(6~10月)の宿泊述べ数は、まだ冬季(12~4月)の6割ほどの27万人(昨年度)にとどまる。事業者らでつくるPR組織「二セコプロモ-ションホ゛-ド」の久野賢策統括業務執行理事は「まだ冬のスキ-のような目玉がない。「夏の二セコ」のイメ-ジを育てるには、長期的な取り組みが必要」と語る。発信2009

コメント

冬だけでない“二セコ” [中]

2009-09-04 15:15:04 | 社会・経済

富良野並み 「ダイヤの原石」開発次々

100_7257 「夏になると、死んだような寂しさだった」。コンドミニアムが立ち並ぶ後志管内倶知安町ひらふ地区。1984年からペンションを経営する五十嵐陽輔さん(55)は、開業当時を振り返る。同地区では80年代、国内のスキ-ブ-ムを当て込み、30代の脱サラ組が次々とペンションを建てた。五十嵐さんも当時30歳。札幌の食器メ-カ-を辞め、念願のペンションオ-ナ-になった。冬はスキ-客で目が回るような忙しさだった。しかし、夏になると、客足はぴたりと止まった。たまに来るのは数人の登山客だけ。「冬だけじゃやっていけない」。五十嵐さんはアルバトでしのいでいたが、90年代半ばにスキ-ブ-ムが終息すると危機感は増した。

■■■■ □□□□

取り組んだのが゛修学旅行の誘致。小規模なペンション20軒ほどで団体をつくって生徒を分散させた。今では年間50校1万人か゛宿泊し、年間売り上げの3割を占めるペンションもある。それでも、五十嵐さんは「地域全体でのPRが足りない。夏の集客は今も二セコの課題」と指摘する。そんな中、「夏の二セコ」の潜在力に目を付け始めたのは外資系企業だ。大規模な通年型リゾ-トの開発計画か゛ここ数年、次々と発表されている。ひらふ地区に隣接する花園スキ-場周辺の開発を目指すのは、香港資本の「PCCWグル-プ」。36㌶に計1万人が収容できるホテルやコンドミニアムなどを建設する。同グル-プの日本法人「新日本PCG」(東京)の東福寺なおみ執行役員は「温泉や自然体験など観光資源が多い二セコはダイヤの原石」と自信を見せる。夏の集客を図るため、チュ-ブスライダ-やマウンテンバイクコ-スの整備なども検討中という。

■■■■ □□□□

一方、二セコ町東山でスキ-場やゴルフ場などを運営する米金融大手シティグル-プの「二セコビレッジ」(東京)は、隣接地50㌶にコンドミニアムや商業、娯楽施設を備えたリゾ-トを計画する。同社のスキ-場近くには、大型の遊具や樹上に設置した木道など17種類のアクティビティ(体験型メニュ-)があり、家族連れなどに人気。今夏はすでに昨年の培の4万人が利用したといい、同社は今後もアクティビティに毎年1千万円以上を投資していく考えだ。夏場も多くの観光客を集める富良野市の観光協会で2年間勤務した、同社の総支配人のル-ク・八フォ-ドさん(29)は力説する。「二セコの夏は富良野と肩を並べるくらいの魅力をもっている」発信2009

コメント

冬だけでない“二セコ” [上]

2009-09-03 17:45:22 | 社会・経済

長期滞在 別荘稼働へ格安プラン

100_7256 7月下旬、二セコアンヌプリ山麓の後志管内倶知安町ひらふ地区。冬は外国人スキ-客らでにぎわうコンドミニアム(マンションタイプの別荘)の一室で、神戸市の野尻岬さん(70)、紀子さん(60)夫婦がゆったりとした時間を過ごしていた。

■■■■ □□□□

「スキ-のイメ-ジしかなかったが、涼しい気候と美しい自然が気に入った」。大きな窓から羊蹄山を望む部屋で、野尻さんは初めてのコンドミニアム滞在に声を弾ませる。広さ85平方㍍の2LDKで、2週間の宿泊料は約12万円。部屋にはソファや大型テレビのほか、台所用品や洗濯機も備わっている。日中はゴルフや散歩を楽しみ、ドライブしながら温泉やそば屋を巡る。雨の日は部屋で好きな映画鑑賞、夜は地元産の新鮮な野菜を調理して晩酌-。「快適な避暑生活で飽きることはない。来年は8週間は滞在したい」夏は閑散としていたひらふ地区で今年、コンドミニアムに長期滞在する日本人の姿が目立つ。50棟を管理する「北海道トラックスマネ-ジメント」の担当者は「1週間以上の滞在客は昨夏の1・5倍に増えた。大半が国内のシニア層や家族連れ」と話す。同社は今夏、一泊の基本料金を年末年始の半額以下の2万5千円に値引き。宿泊日数に応じた割引サ-ビスも導入、1週間以上の滞在なら一泊1万円前後とした。旅行会社とも提携、国内向けの長期滞在プランを本格的に売り込み始めた。

■■■■ □□□□

管理会社が゛夏に力を入れる背景には、冬の稼働率の低下がある。投資物件であるコンドミニアムは、外資系の建設・販売会社が部屋を数千万円から1億円前後で分譲。オ-ナ-が使う時以外は管理会社を通じて客室として貸し出し、オ-ナ-には売り上げの3割ほどが還元される。しかし、コンドミニアムの数は年々増加。昨年は一気に120棟も増え、計190棟を超えた。一方で、今冬は円高の影響などで外国人スキ-客は減り、関係者は「利益確保のため、稼働率が低かった夏の集客に乗り出した」と説明する。こうした動きに、ひらふ地区でアウトドア会社を経営、夏観光の先頭に立つ、オ-ストラリア人のロス・フィンドレ-さん(44)は「夏の可能性が広がり、アジア一のサマ-リゾ-トに一歩近づいた」と歓迎する。コンドミニアムの出現が、新たな観光需要を掘り起こし、「冬だけだった」二セコ観光を変える可能性を秘める。発信2009

コメント

波に乗れ!厚真 [下]

2009-08-31 18:56:04 | 社会・経済

サ-フィンでまちおこし 夢の未来図 大会誘致、雇用創出も

100_7240 「これが理想型かもしれない」。胆振管内厚真町の田中紀嘉さん(31)は目の前が開けた気がした。7月上旬、同町役場の若手職員でつくるプロジェクトチ-ム(PT)「あたらしいなみ」の田中さんらメンバ-4人は、サ-フィンによる地域活性化の先進地、福島県南相馬市を訪ねた。製造業と農業が盛んな人口7万人のまちには県内外から多くのサ-ファ-が訪れる。同市が2003年から取り組むのが「サ-フ・ツ-リズム」だ。

■ □ □

提唱した福島大の奥本秀樹准教授(41)=企業財務=は「交流の拡大だけでなく、若者の流出を食い止める効果もある」と言う。官民、そしてサ-ファ-ら合同で推進委員会を組織し、プロが出場する国際大会からアマチュア向けの大会も開催。市の各種大会への助成金は年間200万円を超える。さらに1千万円の予算で海水浴場での水難救助を地元サ-ファ-に委託し、雇用も生み出した。自身もサ-ファ-の奥本潤教授は「大都市札幌に近い厚真の方が経済効果は大きいはず」と指摘する。「厚真らしいサ-フ・ツ-リズムを」。視察から戻り、方向性を見いだしたPTの作業は一気に加速した。まず、浜厚真海岸のインフラ整備を検討。サ-ファ-からの聞き取りでは「トイレやシャワ-が古い」「売店がない」との意見が多かったからだ。さらに新たな大会誘致にも乗り出しす構え。こうした取り組みに来年度から町の予算化を目指す。課題は町民の理解だ。町外からは多くの人が集まっても町内の愛好者は10人ほど。ある町民は「波乗りに金をかけても・・・」と懐疑的だ。奥本潤教授は「南相馬でも反対派あった。でも、サ-ファ-たちが熱心にごみ拾いなどを続けるうち、風向きが変わった」とアドバイスする。PTでは海岸で地元産のコメや野菜の直売所を設け、愛好者と住民との交流の場づくりも計画している。

■ □ □

さらに、海岸付近にあるバギ-などオフロ-ド車の専用コ-ス、野原公園内に設けられた3面の天然芝サッカ-場との相乗効果にも注目する。2施設合わせて利用者は年3万人を超える。PTの手代木久史さん(30)は言う。「浜厚真には魅力的な資源がある。これらを活用して定住人口を増やしたい」。若者が集い、そして住み続けるという夢の未来図。「あたらしいなみ」は、さらに大きな波を目指す。発信2009

コメント

波に乗れ!厚真 [中]

2009-08-31 16:55:05 | 社会・経済

サ-フィンでまちおこし 若手が決起 知名度向上へ奔走

100_7239 今年4月1日、胆振管内厚真町役場で、まちづくり推進課などに所属する30代の職員4人に辞令が手渡された。任命された先は臨海施設ゾ-ン活性化プロジェクトチ-ム(PT)。通称“あたらしいなみ”。PTメンバ-の1人、田中紀嘉さん(31)は「サ-フィンを通じて厚真のアピ-ルを」と意気込んだ。

■ □ □

町内の浜厚真海岸には年間6万人のサ-ファ-が訪れる。それを町の活性化につなげるのがPTへの特命だ。4人とも所属する部署との兼務だが、わざわざ辞令が交付された。「波という自然の恵み。そこに集うにぎわいを活用したい」と宮坂尚市朗町長。上司も真剣だった。それまで浜厚真への町内の関心は高くなかった。「6万人も来るの?関心ないね」と男性町民(71)は話す。中心街から約10㌔離れ。海水浴場でもない海岸は、町民との接点が少なかった。また、北電苫東厚真発電所や石油備蓄基地の固定資産税により、もとは町の財政は豊かだった。ところが、近年は施設の減価償却が進み、税収減が続く。それとともに町の人口も年間100人規模で減り続け、昨年、5千人を割った。そんな中、若手が目を付けたのがサ-フィン。PTの手代木久史さん(30)は「イベントを企画する時、一番の苦労は集客。浜厚真には黙って6万人が集まる。活用しない手はない」と強調した。活動は手探りだった。まず、道内サ-フィン団体と意見交換会を開き、7月下旬には海岸で愛好者300人にアンケ-トを行った。「売店がほしい」「シャワ-やトイレの改修を」。手代木さんは「役場への期待を感じた」と話す。6月にはサ-ファ-と共同で海岸清掃を行った。400㌔のごみが回収され、サ-ファ-たちの「環境意識の高さに驚かされた」(手代木さん)という。思わぬ応援団も現れた。札幌国際大の林恒宏専任講師(36)=スポ-ツビジネス=だ。「厚真の取り組みを知り、これだ!と」。今夏、林さんはPTメンバ-と、町名入りのサ-フボ-ドを背負って札幌の中心街を歩いた。狙う知名度アップ。今月22、23の両日には東京の渋谷でも同様のアピ-ルを行う。

■ □ □

さらに、5月にはPTが目指すべき格好のお手本が見つかった。「サ-フ・ツ-リズム」。聞き慣れない取り組みの舞台は、福島県らしい。PTメンバ-の1人が、パソコンでさまざまなホ-ムペ-ジを検索しているうちに見つけた、「ネットサ-フィンのたまものだった。発信2009

コメント

波に乗れ!厚真 [上]

2009-08-31 15:08:33 | 社会・経済

サ-フィンでまちおこし 「魅せられて」愛好者 次々と移住

100_7238 夜が明けきらない午前3時半。胆振管内厚真町の丸山聡史さん(36)は、毎朝の「日課」に出掛ける。愛車を走らせること15分、浜厚真海岸へ。サ-フボ-ドを抱え、駆け足で海に飛び込む。「仕事前の波乗りは最高て゜す。厚真に移住して本当に良かった」。苫小牧市の病院で理学療法士として働く丸山さん。2時間ほど波を追いかけた後、車で40分の職場に直行する毎日だ。

■ □ □

単身赴任先の苫小牧から厚真に移住したのは2年前。山あいの分譲地に自宅を建て、札幌から妻史子さん(35)ら家族を呼び寄せた。「サ-フィン中心の生活がしたくて」。波が立たなくなる冬場以外は、毎日のように浜厚真に通う。2歳の長男、4ヵ月の次男と4人暮らし。「近所から取れたての野菜を分けてもらったり、周りは温かな人ばかりです」。地域にもすっかりとけ込んだ。苫小牧東港から東へ数㌔に渡って続く浜厚真海岸。30年以上前からサ-ファ-が集う。高速道路を使えば札幌から1時間ほど。道内では最多の年間6万人の愛好者が訪れる。夏場はなぎることの多い日本海側の海岸と違い、厚真は安定して波に乗れる浜として定評がある。「波が立ちやすく、上級者から初心者まで楽しめる」と、サ-ファ-たちは口をそろえる。7月、海岸から車で10分ほどの場所に腸内初のサ-フショップを開いた村上さん(38)は昨秋、妻朋子さん(38)と江別市から移り住んだ。「サ-フィァ-と地域住民を結ぶ店にしたい」という。サ-フィン専門誌で、“北の湘南”と紹介された浜厚真だが、一般への知名度は決して高くない。札幌市から厚真に通うサ-フィン愛好者の男性会社員は「厚真を知らない知人は多い。『どこでサ-フィンを?』と聞かれると、だいたいは『苫小牧で』と答えるね」と明かす。

■ □ □

そんな人口4900人の小さな町に、波を求めてサ-ファ-たちが移住してきた。「これだ」。昨冬、町づくり推進課で移住担当の田中紀嘉さん(31)はひらめいた。「サ-フィンで厚真を元気にできるかもしれない」。新たな地域おこしが芽生えた瞬間だった。発信2009

コメント

青果物を通年出荷

2009-08-22 12:00:10 | 社会・経済

旭川・トミイチ 江別に進出へ

[旭川、江別]農産物流通のトミイチ(旭川、富宅嵩社長)は19日までに、江別市西野幌の工業団地「江別RTNパ-ク」に用地約9千平方㍍を収得した。道央圏に初の進出となる。同社は1985年創業で、資本金5千万円。ホ-ムペ-ジによると、2008年度の年商は83億円、従業員はパ-トも含め約200人。全国の農協や生産者と契約し、野菜や果物を通年出荷しており、真空パックや冷凍加工技術に定評がある。農協が苦手とする規格外商品の加工販売も得意で、道の「チャレンジ企業」にも選ばれている。同社は詳しい計画を明きらかにしていないが、成果物の加工場などを建設するとみられる。RTNパ-クは、先端技術研究機能を集めるとして江別市が85年以降、約94㌶中約88㌶を分譲済みだが、食品加工産業の進出は初めて。

コメント

次世代人材育成の現場

2009-07-28 17:24:21 | 社会・経済

北大も「雇い止め」不安

北大教職員組合(宮崎隆志委員長)は、北大の非正規職員を対象に「雇い止め」など不安定な労働実態について初めての調査を行い、結果をまとめた。フルタイムで働く職員の6割が担当業務の内容は正規職員以上か同じと感じている一方、低賃金や雇い止めで生活に不安を抱いている現状が明らかになった。

100_7202 非正規職員初調査                                              「生活苦しい」7割 8割が「期限撤廃を」

調査は昨年12月から今年2月にかけ、主に事務系一般職の非正規約8百人に質問を送り、267人から回答を得た。うち週40時間勤務のフルタイムで働く契約職員60人、週30時間以内の短時間勤務職員167人について分析した。北大の労働契約は原則1年、期間は最長3年とされている。担当業務の内容は契約の61%、短時間の39%が「正規以上」「正規と(ある程度)同じ」と回答。「比較できる正規がいない」が契約で29%、短時間で33%あり、同組合は「正規を置かず、実質業務を非正規に一任している表れ」と指摘する。一方、生活面では、税込み年収は契約が平均約350万円、短時間は百数10万円。契約の77%、短時間の65%が「生活が苦しい」と感じ、全体の8割以上が「次年度への不安か゛大きく業務に打ち込めない」「仕事の流れをつかんだころに雇用満了になってしまう」などとして雇用期限の撤廃を望んでいた。宮崎委員長は「非正規職員は大学の中核的業務を担っているが、処遇が見合っていない」として、大学側に待遇改善を求める方針。

待遇改善の動きなし 大学側

「来年どうなるか不安でつらい」「1年契約でいいから期限撤廃を」-。北大教職組合が実施した非正規職員の実態調査では、「雇い止め」の不安を抱えながら大学を支える非正規職員の切実な姿が浮かび上がった。「分かっていて選んだ職場だから仕方ない。専門性か゛評価されないのは残念ですが・・・」。北大総合博物館で資料管理を担当する持田誠さん(36)はあきらめがちに言う。「研究支援推進員」という名の短時間勤務職員で、今年が3年目。来春以降、ここでは働けない。学芸員の資格を生かし、勤務は週5日、1日6時間。諸手当はなく、年収は140万円程度。それでも自費で研修会に参加し、この春には乾燥から貴重書を守るため、展示室に加湿器を置くことを職場で提案。1ヵ月の試行中、休日も加湿器に水を足しに通った。今後、働きながら職を探すが、「正規のポストはほとんどなく、「流しの学芸員」にならざるをえない」。

学部事務室で働く短時間勤務の30代女性は、履修届受理区資格取得にかかわる重要な役割を担い外部の問い合わせにも応対。「責任の重さに条件が見合ってない」と感じる。月収は12、3万円という。国立大の多くは2004年の独立法人化に合わせ、厚生労働省が雇用トラブル防止のために定めた基準を参考に、非正規の雇用期限を3-5年の間で定めた。国からの運営費交付金が減る中、正規職員を減らし、非正規に恒常的な業務を任せる大学は増えている。ただ、非正規の待遇改善の動きも。全国大学高専教職員組合(東京)の調査では「回答した国立43大学のうち、今春から7大学が非正規の雇用延長や雇い止めの実質廃止に踏み切った。同組合は「大学自身が、雇い止めは効率的でなく、教員研究活動にマイナスと気付き始めた」とみる。約30年前から非正規の雇用期限を3年としている北大は「現時点で期限撤廃の考えはない」(人事課)と言う。「期限をなくし、非正規職員の1年契約を繰り返し更新することで正規のように継続的に雇用するのは、必ずしも妥当とは言えない」との判断だ。教授や正規職員からは「優秀な人には長く働いてほしい」と一律雇い止めに疑問の声も出ている。 

北大の非正規職員 約4600人(昨年6月現在)を 大学が直接雇用している。教職員組合によると、研究員や学生アシスタントを除く一般職は2千人弱で、事務職は情報処理や語学を生かした留学生対応、技術職は実験補助や観測など、専門的義務も少なくないという。正規職員は約4200人(同)                                                 

コメント

企業が変える農<下>

2009-07-22 16:05:06 | 社会・経済

潜在力 発想自在に新ビジネス

農業に挑戦する企業の業種は年々多様化し、新しいビジネスの可能性を引き出し始めている。緑鮮やかなアスパラ、大人の二の腕ほどに太いナガイモ-。伊達市の北湯沢温泉町にある野口観光グル-プのホテル「湯元第二名水亭」の売店では、近郊の自社農場でとれた農産物が人気だ。宿泊客に生産履歴の見える食材を提供するため、野口観光は今年3月、農業生産法人を設立。50㌶の農地を買収・賃借した。農産物は第二名水亭、登別石水亭などグル-プのホテルに出荷。「宿の食事で出ておいしかったから」と、宿泊客か゛土産用に買い求める好循環ができた。観光業者の農業参入は珍しいか゛、同社はそのノウハウを生かし、修学旅行生の農業体験や直営レストラン、畑の中の結婚式などの事業構想も練る。野口秀夫社長は「農業と観光が結びつくことで、ビジネスの切り口が広がる」と期待する。

100_7214 研修で人材育成

人材派遣大手のパソナグル-プ(東京)は昨年10月、兵庫県淡路島で農地を借り、野菜を生産・販売しながら新規就農者を育てる「チャレンジファ-ム」を開いた。担い手不足が深刻な農業に意欲的な人材を送り込むビジネスの確率が狙いだ。研修生はパソナの契約社員として3年間、農業生産や販路開拓の経験を積む。農地法改正による農地賃借の規制緩和を機に、2011年にはファ-ムを10ヵ所に増やす。営業マン経験を生かして農業ビジネスを起こそうと、札幌での会社勤めを辞めて研修生になった青木明博さん(41)=網走管内置戸町出身=は「売り込む最終製品をまず企画し、生産から加工、販売まで自ら手がける仕事をしたい」。妻(33)を札幌に残し、研修に励む。

NPOが「食育」

営利にとらわれず、多彩な活動を展開できる点では、NPO法人の参入も注目される。NPO法人さっぽろ農学校倶楽部の修了生が06年に設立。市内で賃借した農地で、会員30人が仕事や家事の合間に無農薬野菜の生産と直売、学校を訪れての「食育」活動などを行う。年間100万円程度の販売収入は肥料代などに消えるが、宮本隆理事長は「さらに活動の輪を広げたい」と意欲を見せる。東大大学院の本間正義教授(農業経済学)は「農業外の企業や団体のノウハウとの資金力を生かすことで、人材育成や新商品の開発、販路拡大の可能性が広がる。それが農業の閉塞感を打ち破る力になる」と強調する。遊休農地の増加、担い手不足にあえぐ農業の再生に、もはや企業の力は不可欠だ。地域と企業の力が゛融合した、新たな農業モデルの構築か゛急がれる。

メモ: 農業への参入業種 農林水産省は統計上、市町村の指定区域で農業に参入している企業・団体を「建設業」「食品会社」「その他」に分類している。昨年9月現在では「その他」が144社で最多。最近2年間の伸び率も2・1倍と建設業や食品会社を上回っており、参入企業の多様化が目立っている。特に最近は、直売所経営で観光振興を図る第三セクタ-、都市と農村の交流に取り組むNPO法人の参入などが増えている。

コメント

企業が変える農<中>

2009-07-21 17:33:46 | 社会・経済

受け皿 畑違いの参入危うさも

ところと゜ころ実が色づくイチゴの苗がビニ-ルハウス内に整然と並ぶ。渡島管内八雲長の農業生産法人、ト-ヨ-ファ-ムの従業員が、余分な花や実を摘む作業に追われていた。「府県産が減る夏場は高値がつくんです」。収穫を間近に控え、茂木貴史社長の言葉に力がこもる。

100_7213 雇用維持が狙い

ト-ヨ-ファ-ムの母体は同町に本社を持つ東陽建設。公共事業の縮減が顕著となった2000年、事業多角化と従業員の雇用維持を目的に設立した。社員2人とアルバイト3人は同社出身で、パ-ト10人は新規採用した。大手洋菓子メ-カ-にも出荷されるイチゴや、スイ-トコ-ンの生産も軌道に乗って黒字化し、昨年の売り上げ高は2千万円。今後はイチゴジャムなどの加工事業にも乗り出す。かつて北海道の“主力産業”とも言われた公共事業だが、本年度の道開発予算は5855億円と10年前に比べて4割も減少した。仕事を失った建設業就業者の受け皿として注目されているのが農業だ。昨年9月現在、道内で農業に参入した企業の45%、64社を建設業関連が占めている。建設業以外にも、障害者の雇用確保を目指す社会福祉法人の参入が増えるなど、不況で雇用環境が悪化する中、農業への期待は強まるばかり。企業参入のハ-ドルを下げた改正農地法にも、地域の雇用を創出する狙いが込められている。

全国の6割赤字

だが、文字通り「畑違い」の企業による農業への挑戦には大きなリスクがつきまとう。道北の建設業者は昨年11月、葉物野菜サンチュのハウス栽培から撤退し、パ-トも解雇した。地元の市場に出荷していたが、安値に悩まされたうえ、「予想外の病気や暖房用の燃料高騰で、採算が合わなくなった」という。条件の悪い農地に苦労する企業も多い。農業に参入した全国の企業の6割強が赤字という調査結果もある。企業の参入が増えても失敗が相次ぐなら、地域の失業や農地荒廃はかえって増えてしまう。規制緩和はそうした負の側面を併せ持つ。03年に農業参入した橋場建設(名寄市)は、20棟以上のハウス栽培でトマトを大量生産し、高付加価値のトマトジュ-ス向けに出荷する事業モデルを確率し、ようやく、採算ラインが見えてきた。だが、参入当初はナガイモやブロッコリ-の生産が頓挫するなど試行錯誤を繰り返した。橋場利夫会長は「安価な輸入品など、食材があふれる時代に、どこでもやっているような方法では成功できない」と言い、地域の農業関係者らの助言に感謝する。改正農地法は企業や地域に「ばら色の未来」を保証するものではない。企業の粘り強い努力と周囲の協力があってこそ、果実がもたらされる。

メモ日本の農業構造 農林水産省によると、2008年の全国の農家戸数は30年前のほぼ半数の252万1千戸、耕地面積(耕作放棄地は含まない)も16%減の462万8千㌶と縮小し続けている。ただ、道内は農家戸数が30年前に比べ、6割減の5万2千戸となったが、高地面積は116万㌶と逆に4%増えており、大規模農家への農地の集約が進む。専業農家が多い道内は、優良農地が起業に回りにくく、参入が失敗する一因となっている。

コメント

企業が変える農<上>

2009-07-21 16:03:33 | 社会・経済

流通競争 農場直営JAに危機感

100_7212 東京都心から東へ60㌔。千葉県富里市のなだらかな広陵に広がる4・5㌶の畑が「野菜は市場や農家から仕入れるもの」というス-パ-の常識を変えるかもしれない。「セブンファ-ム富里」。大手ス-パ-、イト-ヨ-カ堂(東京)が野菜を自ら生産する目的で昨年8月に設立した農業生産法人だ。今年は県内9店鋪にトウモロコシ、ブロッコリ-など320㌧の出荷を見込む。「小売りと農業生産が連動するメリットは大きい」。同ファ-ム開発担当の久留原昌彦さんが手応えを語る。ス-パ-が直接手がける農場なので、仕入れの際の市場手数料は不要。店から出た食品廃棄物を堆肥にして使い、通常なら規格外の野菜も店と連携して格安価格で売りさばくため、無駄がない。コストが安く、環境にも優しい「循環型農業」の理想へ踏み出した。同社は将来、道内などでも農場開設を検討、自社生産の野菜の扱いを増やす考えだ。

法改正が後押し

担い手不足が深刻化し、耕作放棄が埼玉県の面積とほぼ同じ約39万㌶にも達する日本の農業。一方でイト-ヨ-カ堂のように、企業の資本力とノウハウを投入し、農業ビジネスの可能性を切り開く事例も増えてきた。年内にも予定される改正農地法の施行は、このような企業の動きを後押しし、農業を再生に導くことに狙いがある。昨年の中国製ギョ-ザ中毒事件や輸入穀物高騰で、食糧自給の重要性が再確認された時期の法改正だけに、流通・外食企業の参入はさらに加速しそうだ。檜山管内せたな町などに農場を持つ居酒屋チェ-ンのワタミ(東京)は、国内の自社農場を2013年までに現在の1・3倍の600㌶に広げる計画。生協ひろしま(広島県廿日市市)は10年度に農業生産法人を設立、住友商事(東京)も農業参入を検討し始めた。

付加価値を模索

こうした企業側の動きにJA(農協)グル-プの危機感は強い。セブンファ-ム富里のケ-スでは、地元JAも出資し、応分の配当を得る形になってはいる。ただ、企業参入が加速すれば、競争力のない既存農家の作物をJAが集荷して企業へ-という農産物流通の仕組みも形骸化し、JAの存在意義まで失いかねない。全国農業共同組合中央会(JA全中)は組合員間の農地賃借の仲介業務を強化し、企業への農地流出を食い止める一方、「組合員の農産物の付加価値を高める流通体系の確立が必要」としてグル-プの加工、レストラン事業を拡充し、新時代に備えようとしている。JAの危機意識が企業参入の妨げではなく、企業との健全な「流通競争」につながれば、日本の農業の足腰もより強くなるはずだ。

    ◇

改正農地法と同関係法が6月に成立し、企業による農業参入の門戸が大きく広がることになった。農業にビジネスチャンスを求める企業の戦略とともに、農業外からの参入を機に変わりゆく農業の姿をリポ-トする。

メモ企業の参入条件  企業やNPO法人が農業参入する方法は主に①農業生産法人を設立②市町村が区域指定した農地を賃借して直接参入-の2種類あり、道内でしているは①で129社、②で12社が参入している(昨年9月現在)。改正農地法などは①について、企業の農業生産法人への出資制限を現行「10%以下」から「25%以下」に緩和。②についても、条件の悪い農地が割り当てられやすい区域指定を廃し、賃借期間も現行「最長20年」から「同50年」に延長した。

コメント

協同労働に熱い視線

2009-06-20 14:10:34 | 社会・経済

全員が出資、経営は連帯責任

働く人全員で出資し、福祉や給食など地域のニ-ズにあった仕事をする「協同労働」という働き方がある。「ワ-カ-ズコ-プ」と呼ばれ、経営にも労働者全員であたる。会社とは違い、雇い、雇われるという関係や正規、非正規という考え方も存在しない。派遣切りで労働者を使い捨てにする企業もある中、あらためて注目されている。

日本労働者協同組合連合会(東京)にると、こうした働き方をする人はワ-カ-ズ・コレクティブや農村女性ワ-カ-ズなどを含め、全国で約10万人、事業規模は500億円を超えるという。このうち、北海道労働者協同組合・ワ-カ-ズコ-プ北海道は本部のある旭川をはじめ札幌、釧路など7市町に9事業所があり、約200人が働く。半数以上は介護保険事業で、配送や清掃、給食サ-ビスの委託事業もある。昨年度の事業高は約4億5000万円。同組合の場合、働く人は1口5万円を出資して組合員になり、自らの給料の2ヵ月分まで増資する。働く人の立場は平等で、全員で経営する代わ゛りに、経営責任も持ち合う。非営利だが、給料は自給が基本で、経験や職種で数ランクに分かれるが、額に大きな差はない。常勤職は手当てがつき、月収は16万~20万円ほどという。同組合の田中鉄郎代表理事は「一つ一つの規模は小さいが、雇用不安や格差解消へ、地域に根ざしたわれわれだからこそできることがあるのでは。若者が地元で伸び伸び働ける地域づくりを目指したい」と話している。

タクシ-や映画館も 法制化へ動き加速                                                  世界的には150年の歴史

「協同労働」は世界的には150年の歴史があり、600万人以上が働く。日本労働者協同組合連合会によると、このうち欧州では150万人が約6万組合を組織。業種はサ-ビス業38%、製造業33%、建設業14%など幅広く、障害者ま就労支援やリストラされた労働者の再出発にも大きな役割を果たす。日本では福祉分野が多いが、福岡県ではタクシ-運転手が集まって、タクシ-事業を運営。埼玉県ではミニ映画館を運営している例もある。千葉県では遊休農地で菜の花を栽培、苗種油やバイオディ-ゼル燃料を精製する事業で、若者就労先を確保する試みも始まっているという。先進7カ国では協同労働についての法律があり、その促進が憲法に既定されている国もある。法制化それていないのは日本だけだ。雇用情勢の悪化を受け、法制化を求める声は強まり、道議会が今年3月、制定を求める意見書を採択、札幌など道内45市町村議会も同趣旨の意見書を採択した。一方、超党派の国会議員が昨年、議連を立ち上げ、与野党194人が参加。法案の最終調整が行われており、今国会での成立が期待されている。

コメント

アイデア栽培 キラリ

2009-01-17 15:46:41 | 社会・経済

海藻を水田の肥料に 米の味高評価

100_1058 鳥取、島根両県にまたがる中海は、海水と淡水                               が混じり合う汽水湖。かってはアマモやコアマモ                              などの海藻をはぐくみ、付近の農家は改装を有機                             肥料として田畑に入れて土壌を改良した。化学肥                             料の使用拡大で忘れられていたこの農法を、NP                             O法人「未来守(さきも)りネットワ-ク」(鳥取県境                            港市)が復活させ、話題になっている。こうした海                            藻は、開発によってすみかとなる浅瀬が減って、                              姿を消した。同ネットワ-クの奥森隆夫理事長は                             「アマモを“植林”し、中海を浄化する活動が始ま                             りだった」と話す。だが、アマモは1年で枯れ、水中                            に放っておくとせっかく取り込んだ窒素やリンが再                            び放出されてしまい、浄化がうまくいかなかった。                            このアマモの処分法として浮上したのが、古くからの農法。昨6月ごろ                に集めたアマモを乾燥させ、翌年、田植え前の水田にまく。まだ試行                 段階だが、前春には乾燥した海藻約30㌧を、県内の水田計140㌶に                まき、30㌔入り2千袋分のコメを収穫した。鳥取県が実施した食味試                            験では「最高級」の結果か゛出て、うわさを聞いた他県の農家からも「海                           藻を利用したい」と申し込みがあった。「海水と淡水か゛ブレンドした水に                           味の秘密があるのかも」と奥森さんは話す。

コメント

寒風けいざい温風「80兆円のフ-ドシステム」

2008-12-23 15:05:45 | 社会・経済

農業者川下へ積極進出を

日本で1年間に支出される飲食費は80兆円に達している。80兆円                              の価値は、素材産業である農業や水産業から、食品の加工業や流                             通業を経由して、小売店や飲食店に至る一連の産業活動によって生                            み出される。このような食品供給の産業全体をフ-ドシステムと呼ぶ。                           国民所得が5百兆円だから、フ-ドシステムはその6分の一に当る                              巨大な産業活動である。就業人口の割合でみても、フ-ドシステム                             の規模は約6分の一である。食に携わる産業群は雇用機会としても                             重要である。特に地方では、フ-ドシステム関連産業の雇用のウエ                             -トが大きい。農業や水産業、それに食品加工業が農村や地方都                             市を中心に立地しているからである。

川上の金額は2割

80兆円の飲食費支出のうち、産業の流れの一番川上に位地する農                            業と水産業に到達する金額はわずかに2割である。残りの8割の価値                            は食品の加工や流通、それに外食産業に配分されている。2割と8割                            という数字は、現代の食生活が多彩な加工食品と頻繁な外食に支え                            られている実態をよく表している。毎日の食生活を思い浮かべれば、こ                            の数字にそれほど違和感を覚えることはない。もつとも農業や水産業に                           80兆円の価値の2割しか届いていないことを知って、関係者の心境は                           複雑だ。素材産業にもつとも手厚い配分がなされるべきだとの主張も耳                           にする。確かに、複雑な流通経済を簡素化することで、漁業者の取り分                            を増やす余地はあるはずだ。

自力で販路を開拓

だが、素材産業の側が発想を変える必要もある。特に農業の場合、農                           業の川下にある食品の加工や流通業、あるいは外食産業を自らの活動                           に取り込んでいくことが考えられてよい。何も大げさな事業を構想する必                           要はない。もち米を加工する。大豆で文字どおり手前みそを製造する。                            酪農経営であれば、チ-ズやヨ-グルトづくりに挑戦する。どれも立派                            な食品加工業だ。実践例もある。農協ばかりに頼るのではなく自分で生                           産物の販路を開拓する。インタ-ネットで情報を発信し、顧客の注文に                           応える。流通業を取り込んだ農業経営だ。農家レストランの切り盛りに                           腕を振るう女性農業者グル-プもある。こちらは外食産業への進出であ                          る。農業経営だからといって、自分の仕事の範囲を素材産業としての農                           業に限定する必要はない。現実に農業の通念に束縛されない自由な発                          想の取り組みが始まっている。農業の川下に広がる加工・流通・外食の                          領域は農業経営にとっても耕す価値のある大地なのである。                                 (生源寺 真一『しょうげんじ・しんいち』=東大教授)

コメント