゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

ひとりの老後を心楽しく生きる方法

2008-08-04 15:30:00 | 本と雑誌
ひとりの老後を心楽しく生きる方法 ひとりの老後を心楽しく生きる方法
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2008-07

吉武輝子著 著者は77歳。呼吸器障害のため酸素ボンベを引きず                           りながら、大腸がんの手術もしている。その中での一人暮らし。だれ                           もが老いる。暗くさびしくよりも、心楽しくがいい。本書は、老いていく                           中でも具体的に楽しく暮らしていく自身の様子を語る。例えば、ひとり                           食をぜいたくな気分で楽しむために、気に入った食器を普段に使い、                           おいしいものを通信販売などで取り寄せる。おしゃれは自己表現。                            年を重ねてこそ鮮やかな色も似合うと、服やアクセサリ-のおしゃれ                           を楽しむ。人生の三分の一は睡眠時間だからこそ、パジャマは手抜き                          をしないで選ぶ。衰える機能をカバ-する補助器具は、上手におしゃ                           れにアクセサリ-化する。さらに70歳の手習いではじめた合唱。そこ                          から広がる友人関係。自立は、大勢の人たちの支えがあってこそ。                           「心はしっかり自立しながら、柔らかく依存する生き方がいい」という                           著者の言葉が多くの人たちの共感を呼ぶ。

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「ハリポタ」完結編発売

2008-07-24 15:30:00 | 本と雑誌

累計2200万部 “最後の商戦”期待大きく

世界的ベストセラ-として知られる英国のファンタジ-小説「ハリ-・                           ポッタ-」シリ-ズ(J・K・ロ-リング著)の完結編となる第七巻が、                           初版180万部という大部数で発売さけるた。1999年に第一卷の                            日本語訳が出て以来、出版不況をものともせず、子供の読書や書店                          の販売戦略に影響を与え、累計部数は約2200万部に。そして                             “最後の商戦”。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻) 「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2008-07-23

同シリ-ズは、魔法使いの少年ハリ-が、学園生活を送りながら闇                           の勢力と闘う、友情と冒険の物語。65の言葉に翻訳され、世界で計                           3億7500万部が売れた。五作目までが国内公開された映画も通算                           6千万人を動員。相乗効果でさらに人気が広がった。

年代問わず

読者層が「3歳から90歳まで」(静山社)と幅広いのがハリポタの強                           み。特に子供たちの読書習慣に大きな変化をもたらした。都内の大学                          院に在籍する女性(23)が出合ったのは中学2年の時。それまでは                           「ちらほら本を読む程度」だったが、「魔法の世界が現実とリンクし、本                          当にあるかもしれないと思えるところに魅せられ」、5巻目以降は辞書                          片手に原書を読破するまでになったという。

書店を刺激

全国学校図書館協議会などが毎年実施する「学校読書調査」によると、                         1ヵ月の読書冊数の平均は小中学生ともに、第一巻の刊行前後から上                         昇。特に中学生は昨年、3・4冊で、57年と並ぶ最高に。協議会は「『朝                        の読書運動』の成果もあるが、ハリポタをきっかけに、今まで本に見向き                         もしなかった子が読書するようになったことが大きい」とする。ハリポタの                         独り勝ちは書店の意識も変化させた。永江朗・早稲田大客員教授(出版                        文化論)は「『活字離れ』という言葉で、不況を読む側のせいにしてきた                         出版業界にはいい刺激になつたのでは」と話している。

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こどものほん「福田洋子・こども冨貴堂店長=旭川市」

2008-07-19 13:00:00 | 本と雑誌

「幼児向き」

にゃんきっちゃん にゃんきっちゃん
価格:¥ 945(税込)
発売日:2008-05-07

つくりの美しい絵本です。背は赤。そこに小さくこの絵本の主人公                            にゃんきっちゃんの写真がはめ込まれています。そして、見返しは                            きれいなビンク。にゃんきっちゃんの鼻の色。かわいい肉球の色。                             リボンのような耳の色。お月さまのようなレモン色の瞳はミステリア                            スな野生の光を宿しています。世界中の野生生物を撮り続けてきた                           岩合さんを魅了してやまない、小さい白い猫。春、桜の花の中にい                            るにゃんきっちゃん。秋、トンボの羽音に耳を澄ませているにゃんき                            っちゃん。雪の中をさんぽにでかけるにゃんきっちゃん。どの姿からも、                          生きていることの喜びが伝わってきます。

かにこちゃん (はじめてであうえほんシリーズ) かにこちゃん (はじめてであうえほんシリーズ)
価格:¥ 840(税込)
発売日:2008-04

かにこちゃんはシオマネキというカニです。片方のツメが大きくて、                             そのツメを振ると海の水か寄せてくると言われています。この絵本は、                          40年ぶりの復刊なのですが、おはなしも絵もできたてのように新鮮                           で、少しも古びていません。赤いかにこちゃんの横歩きがユ-モラス。                          えりこさんの気持ち良い温かい言葉の響き。海の奏でる歌がきこえて                          くるようです。ほりうちさんは21年前になくなられたのですが、日本の                          子どもたちのためにたくさんの作品を残してくれました。半年ほど前、                          東京で見た「ふらいぱんじいさん」の原画。迷いのない美しい線と色                            彩の純粋さに胸打たれました。

「低・中学年向き」

ほんとのおおきさ動物園 ほんとのおおきさ動物園
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-03

「この絵本、うちの文庫で大人気です」と教えてくれたのはみどり文庫                          の美智子さん。「何となく本に集中できない子でも、この絵本は大喜び                          なの」とうれしそうに読んでくれました。ほんとにびっくりしました。そして                         楽しい!だってシマウマからナマケモノまで21種の動物たちが全身で                         はないけれど、実物大で載っているのですもの。写真も印刷もくっきり、                         きれい。よくみるととてもチャ-ミングな動物たちに、私もワクワクドキドキ                         してしまいました。旭山動物園のレッサ-パンダを先日見てきましたが、                         この絵本のおかげでつくづくお口の中まで見てしまいましたよ。

五月は花笠! (3年1組ものがたり 2) 五月は花笠! (3年1組ものがたり 2)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2008-05

悠は連休中1人ぼっちで寂しかったことを、正直にジュン先生との交                           換日記に書くことができません。ジュン先生は運動会で踊る花笠音                            頭を子どもたちの前で踊り、悠に「・・・カッコつけてかたまってないで、                          むりして気どってないで、ほんとの気持ちをはじけさせて!」と伝えま                           す。こどもたちにとって、この世界でたった一人でもいいから、自分の                           ほんとうの気持ちを安心して伝えられる人がいたら、どんなに生きる                           ことの困難を乗り越えられる励みになることでしょう。作者の後藤さん                          が本当に出会ったジュン先生がモデルの新シリ-ズ。次号も楽しみ!

「高学年以上」

ヨハネスブルクへの旅 ヨハネスブルクへの旅
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2008-04

ナレディはアパルトヘイト(人種隔離政策)下の南アフリカ、黒人慰留                           地に住む13歳の少女。病気になった幼い妹のために350㌔離れた                            大都会ヨハネスブルクで働く母親を迎えに、弟と共に旅へ出ます。旅                           の途上でナレディはオレンジ畑で働く少年、トラックの運転手、亡命し                          た兄を持つグレ-スに出会い、アパルトヘイトの矛盾に気づき、目覚め                          ていきます。作者ナイドゥ-さんにあてた11歳の少女の手紙が鮮烈                           です。「わたしたち子どもだって、この世界でおこっている本当のことを                          学びたい・・・。知性的な強い人間になってこの世界を平和するために」

流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36) 流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-04-15

守り人シリ-ズの主人公バルサ13歳のときの物語。タンダやトロガイ                          ら重要人物が、次々と登場します。思春期のバルサの心の揺れや怒り、                        痛みが切ないほどに伝わってきます。タンダはやはり少年の時から感                          受性が豊かで、薬草師になる自分を予感しています。村の暮らしや四                          季折々の風習などが丁寧に書かれ、細部までリアリティを感じるのは、                         作者が文化人類学というバックボ-ンを持っているからでしょうか。この                         シリ-ズは1作目しか読んでいなかったので、全巻友だちの文庫から                          借りてきて、読んで読んで・・・。ウ-ン、オモシロイ。闘いのシ-ンはち                         ょっと苦手ですが。

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こどものほん<河田由美子・人と本を結ぶ会・・・>

2008-06-04 15:04:00 | 本と雑誌

「幼児向き」

からだがかゆい からだがかゆい
価格:¥ 945(税込)
発売日:2008-03

ぺんぎん、あしか、らいおん、こあら・・。みんな懸命にかいています。                          その表情と恰好は、なんとも言えない親近感を覚えるほど。“かゆい”                          というくすぐったいような痛いようなせつなさ(?)に、そこに手が届い                           た気持ちよさ!真剣にかいている動物のみなさんには気の毒ですが、                          どれも笑ってしまうようなユ-モラスな写真で、思わずみんなに見せ                           たくなりそうです。地球のあちこちらで、生命の危機にさらされながら                           たくましく生きている動物たちの、つかの間の憩いの時のようでもあ                           ります。

なかなおり なかなおり
価格:¥ 1,418(税込)
発売日:2008-03

どんよりとした、気がめいるような暗い雨の日。パパからママへ、ママ                           からジョナサンへ、次々と“不機嫌が伝染します。とうとうねいさんの                           サリ-のお友だちの家族にまで!みんなイライラぷんぷん。でもね、                           思いがけないことから次々となかなおりできたんです。人の心って不                           思議ですね。モノクロでシンプルな絵ですが、ア-ノルド・ロ-ベルか゛、                        重苦しい空気からなかなおりまでを表情豊かな線で描いています。だ                          んだんほおが緩み、最後にホッとします。

「低・中学年向き」

たねのはなし―かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-03

知識絵本ですが、構成がのびやかで、詩的な言葉、さして絵と説明                           のバランスも絶妙で引き込まれます。「たねはねむっている」のペ-ジ                         には大きな枯れたひまわりと土の下に眠る種。「たねはたびびと」の                           ペ-ジには、タンポポやイロハモミジなどが軽やかに。他の個性的な                          植物とたねの描写もわかりやすく工夫されています。生きのびるため                          の智恵と可能性と不思議を秘めた「ちいさないのち・たね」。言葉と絵                          と科学が心地よいハ-モニ-を奏でています。

ツルのとぶ大地で
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2008-04

釧路市在住の重い知的障害と自閉症を持つ千織さん。そして母の                            厚子さんか゛モデルです。実話に創作を交えて描かれました。厚子                            さんは、千織さんの将来を案じ苦悩しながらも、1996年に仲間と                            一緒に共同作業所「すてっぷ」を開所しました。今ではそこで、千織                            さんはじめ22人の障害のある人たちが働いています。たくさんの人                           たちに支えられ、障害のある人も地域で普通に働いて暮らしている                            ということを“市ってもらいたい”。さんな願いと希望をこめた絵本です。

「高学年以上」

西の魔女が死んだ (新潮文庫) 西の魔女が死んだ (新潮文庫)
価格:¥ 420(税込)
発売日:2001-07

不登校になってしまった少女まいが、しばらくの間、田舎で暮らす英                           国人の祖母のもとで魔女修行をすることに・・・。その修行とは?「生                           まれること、生きること、死ぬこと」を問いながら揺れ動くまいに、祖母                          はいつも丁寧に語りかけます。その言葉は、あらゆる生命への慈しみ                          に満ちて読む人の心もほぐれていくようです。何げない日々の営みの                          細やかな描写、ラストで静かにまいの成長が伝わる場面が心に染み                          ます。1994年に刊行された梨木さんのデビュ-作ですが、映画化さ                         れ、この6月に全国公開されます。

にいさん にいさん
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-03

いせさんの長年のゴッホをたどる旅の、見えない力の強さや深さを感                           じます。絵本「絵描き」(理論社)の帯に記されていた「旅に出よう。風                          景の中で、ゆつくり見つかるものが、きっとあるから。」しいう言葉がよ                          みがえります。この作品は、ゴッホの葬送の場面からはじまり、弟テオ                          から亡き兄への語りかけで貫かれています。時を超えて、幾度もの旅                          を経て、いせさんの心に宿った光や風、色、ゴッホとテオの風景。見開                          き一杯に描かれた1枚1枚の絵は、まるで3人の魂が溶け合う情景の、                         画集のようです。

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こどものほん「福田洋子・こども冨貴堂店長」

2008-05-17 16:00:00 | 本と雑誌

「幼児向き」

こどものとも 2008年 04月号 [雑誌]
価格:¥ 410(税込)
発売日:2008-03-03

まっすぐまっすぐ 松竹いね子 さく

きょうこちゃんは、じいちゃんのしぼった、かあさんやぎメイメのおちち                            をとどけるため、こっこおばさんのおうちにでかけました。おともはうさ                           ぎのピョコとこやぎのメイ、ねみのニャアです。おばさんのおうちは、き                           ょうこちゃんのおうちからまっすぐまっすぐあるいていけば、つくのです                           からだいじょうぶ。きょうこちゃんは、せんとうになってはりきっておで                           かけしました。ところが、うしろをふりむくと、た゜れもいません。みんな                           どこえいってしまったのでしょう。春もみじを思わせる緑のグラデ-ショ                          ンのきれいな絵の中にかくれている動物たちや、十個のたまごを探す                          のがとても楽しい。幼い子どもたちは、きょうこちゃんの初めての冒険                            を応援することでしょう。

ゆらゆらゆくよ (世界の絵本コレクション) ゆらゆらゆくよ (世界の絵本コレクション)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-10

昔話ってなんて楽しいのでしょう。このお話、日本の昔話「ふるやのも                          り」にそっくりなんですもの。ハルモニ(おばあちゃん)が自分で織った                          木綿ひと巻きとお話を一つ取り換えてきてくださいと、ハラポジ(おじい                          ちゃん)に頼むところから、始まります。果たしてハルポジは首尾よくお                         話を持ち帰ることができたでしょうか。文を書いたクォンさんは「子犬の                          うんち」の作者としてよく知られていますが昨年春なくなりました。ヒュ-                         マンな生き方がこの絵本の作者紹介の中に書かれています。このお話                         のように、欲をもたず、ささやかな幸せを味わい楽しめる人こそ、本当                          に幸福な人なのだよ。クォンさんから子どもたちへのラストメッセ-ジの                         ようなお話です。

「低・中学年向き」

かきやまぶし (狂言えほん 2) かきやまぶし (狂言えほん 2)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2008-01

「やまぶしかき」とは、「柿山伏」のこと。柿の大好きな山伏のお話です。                         それにしても狂言というものは何ともおかしいものですね。人間のこっけ                         いさ、愚かさが登場人物たちの丁々発止のやりとりの中であぶり出され                         ていくのですから・そして、さすが伝統芸能。お話の骨格や登場人物たち                        の性格描写がしっかりしていて、ぶれません。子どもたちが絵本を通して                         狂言の世界への興味や探究心をもつことができたら、とてもすてきなこと                        ですね。このお話は「やまぶしほどいばるものは いません」と始まりま                         す。もうそこからおかしい。いかにも修行不足の山伏の役を絶対にしませ                        んように。

ちかちゃんのはじめてだらけ (シリーズ本のチカラ) ちかちゃんのはじめてだらけ (シリーズ本のチカラ)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2007-05

ちかちゃんは八歳。もう一年生ではありません。だからお母さんに髪                            を切ってもらうのではなくて、美容院に行きたいのです。お誕生日プレ                          ゼントとして美容院に初めて出かけていったちかちゃん。うれしくて気                          持ち良くって、居眠りをしてしまいます。そして、前髪をバッサリ切られ                          てしまって・・・。いつもちかちゃんを助けてくけるお姉ちゃんや、けん                           かをしながら仲良しになっていく友だちとともに、心豊かに成長してい                           くちかちゃん。うちの店を訪れてくける女の子たちにそっくりです。どう                           ぞ女の子たちに胸ときめかせるような「はじめてのこと」や、生きてい                           く励みになるような「はじめてのこと」がいっぱいありますように。もち                           ろん、昨日より今日か゛一番新しいワタシにもね。

「高学年以上」

宇宙への秘密の鍵 宇宙への秘密の鍵
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2008-02

「ホ-キング、宇宙を語る」のあのホ-キング博士か゛娘ル-シ-さん                           とともに書いた物語。星空を眺めるのは好きだけど物理や科学となる                           とちんぷんかんぷんな私ですが、この物語には夢中になりました。博                           士父娘の宇宙と地球、そして子どもたちへの愛がひしひしと伝わって                          来たからです。主人公ジョ-ジはもうひとりの主人公アニ-とともに、                           世界最強のコンピュ-タ-、コスモスの窓から宇宙へと飛び出してい                          きます。彗星に乗って地球を外から見ることで、どんなに壊れやすい                           特別な星であるかを理解します。科学発表コンク-ルでのジョ-ジの                          スピ-チ感動的です。子どもだけでなく、大人にもぜひ読んでいただき                           たい本です。続刊も楽しみ。

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こどものほん<柴村紀代・児童文学者推薦>

2008-05-08 16:36:00 | 本と雑誌

「幼児向き」

きもち
価格:¥ 880(税込)
発売日:2008-02

1978年に「かがくのとも」で出た絵本です。最初のペ-ジからずっと                          文がなくて,思わず絵の中の男の子の気持ちを声に出していってあげ                          たくなります。たとえば、おもちゃの取り合いで勝ったときは「やったあ                          -」とか、病院で注射されたときは「痛いよお」とか・・・。後の方によう                          やく文が出てきて「自分の気持ちと人の気持ちは違う。人がどんな気                          持ちか考えてみよう」と書かれています。おもちゃを取られた友だちの                          気持ちはどんなだったのかな?ラストはおもちゃを友だちに手渡して2                          人でにこにこしている絵。みなさんもきっとほっとする気持ちになるでし                          ょう。

ちょうちょうひらひら ちょうちょうひらひら
価格:¥ 945(税込)
発売日:2008-02

もうすぐ北海道にも春がきて、ちょうちょうがひらひらととんできます。最                          初に止まるのは、どの花かな?まどみちおさんのちょうちょうは、うさち                          ゃんにとまって、それからしかさんにとまって、ぞうさんにとまるかなって                         思ったら、ぞうさんの背中のねずみさんにとまりました。とってもやさしい                         まどさんのことばに「わたしのワンピ-ス」でおなじみのにしまきかやこ                          さんが、すてきな絵をつけてくれました。長かった寒い冬がようやく終わ                         って、だれもが思わず「うふふ」「えへへ」と笑いたくなるような、春にふ                          さわしい絵本です。

「低・中学年向き」

マイカのこうのとり マイカのこうのとり
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-03

日本では絶滅してしまったコウノトリ。でも今、大変な努力をして兵庫県                          でひなが育ち始めています。これはドイツでまだふつうに民家のそばで                          巣作りをしているコウノトリのお話です。マイカの家の庭に、今年もコウノ                         トリのひなが3羽生まれました。でも、1羽は灰色で、親につたい飛び立                         つことができません。コウノトリたちがアフリカに旅立って行っても、灰色                          のコウノトリはマイカになついて、歩き回るばかりです。野生をペットにす                          る難しさと、別れの切なさ。人はこうして厳しい現実を乗り越えて行くの                         かもしれません。作者はドイツ児童文学界の第一人者。児童文学を大人                        の目線で語れる豊かさをドイツの児童文学に感じました。

うさぎ座の夜 うさぎ座の夜
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2008-01

山奥の古い宿屋の一人娘小夜は、川から紅葉の葉に書かれたうさ                           ぎの招待状をもらいます。うさぎ座の人形芝居は、秋のおわりに開か                          れます。そこに招かれるのはうさぎに選ばれた人間の子が一人だけ。                          今年は小夜が選ばれました。人形芝居の中に、小夜のなくした手ぶ                           くろとそっくりの指人形が出て来て、小夜は手ぶくろを返してもらえる                           かどうか不安でいっぱいになります。どこか宮沢賢治の「雪わたり」や                          ルイス・キャロルの「ふしぎの国のアリス」を思い出させますが、でも                            物語はしっとりとした安房ワ-ルド。味戸ケイコの絵は、そんな安房直                          子の世界をふくらませ、情感豊かに伝えてくれます。

「高学年以上」

戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった 戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2008-02-12

重い本でした。衝撃的な内容でした。西アフリカで内戦がくり返されて                          いることを何とはなく知ってはいましたが、こんなに残酷な現実を生き                           なければならぬ子どもたてがいることにあらためて戦りつしました。大                          西洋に面したシエラレオネでは、反乱軍が次々と村を襲います。捕ま                          った少年たちはむりやり兵士にさせられます。12歳のイシメ-ルも、                           村が襲われた時から同じ境遇の少年たちと逃げまわりますが、やが                           て政府軍の兵士となり、平気で人を殺すようになります。ドラッグと「ラ                          ンボ-」の映画で洗脳される子どもたち、いずれも、戦争はかっこいい                          などという子どもたちに、読んでもらいたいと思いました。

白いキリンを追って 白いキリンを追って
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2007-12

11歳の少女マ-ティ-ンは、南アフリカの鳥獣保護区に住む祖母の                           元にとつぜんひきとられることになりました。火事のために両親を一度                          になくしたマ-ティ-ンは、ふしぎな運命に導かれるように、そこで孤                          独な一頭の白いキリンに出会います。白いキリンがなぜマ-ティ-ン                          にだけ心を許すのか。そこにはアフリカの部族の古い言い伝えとマ-                           ティ-ンの出生の秘密が隠されていました。作者のロ-レン・セントジ                          ョンはアフリカ南部のジンバブエの農場で育ち、実際に仲良くしていた                          キリンがいたそうです。このマ-ティ-ンシリ-ズの続編に「イルカの                          歌」と「最後のヒョウ」があるそうです。翻訳が楽しみですね。

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<新>読書主義「家族で読みたい・・一冊」

2008-05-07 15:30:00 | 本と雑誌
忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス 忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス
価格:¥ 980(税込)
発売日:2007-11

子どもがスクスク育ち、明るい家庭を築くために、パパの子育て応援                           は欠かせません。本書は父親が子育てにかかわるために「これだけ                           は知っておきたい」大切なポイントを、マンガを交えて優しくアドバイス                           します。また子育てで最も大切な「夫婦のコミュニケ-ション」を円滑                           にする秘訣を紹介。家族を愛するお父さんへのプレゼントに最適の一                             冊です。

防犯先生の子ども安全マニュアル 防犯先生の子ども安全マニュアル
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2008-04-10

全国の親から大人気の「防犯先生」。数十万部発行した非売品の小                           冊子がついに単行本化。「変な人」「怪しい人」「危ない人」の見分け方                          と対策方法、「エレベ-タ-」の安全な乗り方、本当に役立つ「安全マッ                         プ」の作り方など、具体例が満載です。安全度チェックシ-トで安全度診                        断もできます。子どもたちを犯罪から守る、バイブル登場です。

宇宙への秘密の鍵 宇宙への秘密の鍵
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2008-02

あのホ-キング博士が、子どもたちのために書いた宇宙冒険物語。少年                         ジョ-ジと隣家の科学者親子の冒険を楽しみながら、宇宙や科学の最新                        情報が得られる画期的な作品です。一巻のテ-マはブラックホ-ル。「ブ                        ラックホ-ルとは何か?」ハラハラする展開が舞っています。理科離れが                        進む今、お薦めの一冊です。

[ナショナル ジオグラフィック] 立体えほん アニマルセット [ナショナル ジオグラフィック] 立体えほん アニマルセット
価格:¥ 4,800(税込)
発売日:2008-04-25

子どもの知的好奇心をかきたてる「立体えほん」。ダインミックに飛び出す                         面白い仕掛けで、生き物たちの生態をリアルに紹介する「アニマルセット」                        と「ワイルドセット」(いづれも2冊セット)。一般書店では販売しておりません                      ので、お申し込みはフリ-ダイヤル0120-11-7420(年中無休・6時~                       22時)か、この本の箇所をクリック

おかしないきもの―世界一の卵コレクター・吉村博士の おかしないきもの―世界一の卵コレクター・吉村博士の
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2005-09

「冷蔵庫の前でハンバ-グを待つとても賢いカメ」「一生、水を飲まな                           くても生きられるネズミ」「足先で水面をたたいて魚をおびき寄せてバ                           クリと食べてしまうクモ」「人間を惑わし、次々と大事件を起こす物まね                         鳥」など、アッ!と驚く「おかしな生き物」を一挙紹介。子どもと一緒に                           大人も十分楽しめる「不思議ワ-ルド」の始まり、始まり・・・。

子どもは親を選んで生まれてくる 子どもは親を選んで生まれてくる
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2007-06

体内記憶や誕生記憶に関する証言から、子どもたちが生命誕生以前                          に自分の親となる人を選び、自ら臨んで生まれてきていることが分かる。                        幼い言葉ながら、“いつもお母さんの幸せを願い、命をかけてお母さんを                         守り抜く”という心情が読み取れ、その言葉には純粋さとリアリティ-が                         溢れている。命の尊さを伝えてくれる子どもたちの愛のメッセ-ジ。

こう言えば良かったのか!―納得子育て楽勝法
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2008-04

アッ!と驚く賢い子育て法!親子のコミュニケ-ションを深め、子を勇気                         づけ、やる気をグングン伸ばす。この方法は今、世界が注目。またグル-                        プ学習している小中学校では、いじめや登校拒否も激減して話題となっ                         ています。子どものやる気を上手に育てる話し方の秘訣が満載です。

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改訂版新書「免疫学は・・・」

2008-05-02 11:20:00 | 本と雑誌
免疫学はやっぱりおもしろい 免疫学はやっぱりおもしろい
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:2008-03

感染症予防のワクチン接種、花粉症やアトピ-などのアレルギ-疾                          患、がんの発症や治療-。体のさまざまな場所で活躍し、時には暴                           走する免疫について分かりやすく解説した。筆者は慶大医学部教授。                          1997年発行の「免疫学はおもしろい」を全面的に書き直し、イラスト                           も加えた。一卵性双生児の免疫は同じなのか、インフルエンザには                           なぜ何回もかかるのか、といった身近な疑問にも答える。複雑で巧妙                          な免疫システムについて、高校で習った生物より詳しく学びたいとい                           う人に向きそうだ。

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すごい製造業-日本型競争力は不滅

2008-03-29 10:30:00 | 本と雑誌
すごい製造業 日本型競争力は不滅 (朝日新書 92) (朝日新書 92) すごい製造業 日本型競争力は不滅 (朝日新書 92) (朝日新書 92)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2008-01-11

「産業の空洞化」や「日本衰退論」は本当であろうか。兵庫県立大                             教授の著者が、すぐれた中小企業の現場を歩き、共通点として「人                            づくり」「マネジメント能力」を見いだす。日本国内の「大きな内需」と                           「シェア争い」の中で培われた高い技術力と競争力を備えた製造業                          は、今後も日本をしっかり支え続ける、との主張には説得力がある。

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現代読書灯<ナビ>座談

2008-03-25 15:00:00 | 本と雑誌

出会いの妙ついポロリ 隣のお喋り楽しむ感覚  森 毅(数学者)

バカにならない読書術 (朝日新書 72) (朝日新書 72) バカにならない読書術 (朝日新書 72) (朝日新書 72)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2007-10-12

千年紀のベスト100作品を選ぶ (知恵の森文庫) 千年紀のベスト100作品を選ぶ (知恵の森文庫)
価格:¥ 960(税込)
発売日:2007-10-11

ゴシップ的日本語論 (文春文庫 ま 2-19) ゴシップ的日本語論 (文春文庫 ま 2-19)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2007-10

雑氏文化については、欧米に比べて日本では、座談がおもしろい。                            広告でも大きく扱われるし、それにつられてその雑誌を買ったりする。                           それがすぐ単行本にまとまる。最近なら養老孟司を中心にした「バカ                           にならない読書術」。そして三年もすると文庫になる。たとえば丸谷                            才一を中心にした「千年紀のベスト100作品を選ぶ」「ゴシップ的日                           本語論」。若いころには、インタヴュ-される側でなくて、する側にま                            わったこともあったが、これが難しい。まったく相手を知らないとまず                           いが、予習をしすぎると読者を生徒の位置に追いやってしまう。欧米                           のインタヴュ-がもひとつなのはその故だろう。多少は書かれた作品                           よりわかりよくなることもあるが、それぐらいならもとの本を読んだほう                          がまし。相手がいるために、ふだんにないことを喋ってしまうのが座談                          のおもしろさ。読者としても、喫茶店で隣のお喋りを耳にして楽しむ感                          覚がよい。生徒になつてはつまらん。対談だと、先生と生徒になりっ                           こないが、スポ-ツ観賞と違うから、どちらに味方するかは関係ない                           ものの、あまり親しすぎるのもつまらない。相手の応答が予想できて、                          出会いの意外性がない。ライブでやったこともあるがあれは疲れる。                           二人だから半分なのじゃなくて、相手のことを考えながら聴衆にも気                           くばりせねばならぬので、一人で講演する二倍。しかしそこが対談の                          おもしろさ。三人から五人ぐらいの座談会になると、それがもっと複雑                          になるが、五人が限度と思う。ライブやテレビになると、見た目のにぎ                          やかさや世間でのバランスを考えて、人数が多くなりがち、六人だと、                          三人にしてその分ギャラを倍にしてよいといつも思う。司会だけが別に                          なるのは役わり分担がおもしろくないが、だれかが仕切らねばならぬ。                            連歌の席の宗匠。このあたり、日本のよいのは、宗祇や芭蕉以来の                          伝統があるからかもしれぬ。欧米のつまらんのは、作者の位置を確立                          したがる近代の故もあろう。本歌どりをしながら座を楽しむのがよい。                          読書文化だって、著者への敬意より、座を楽しむ感覚がよい。このた                           びとりあげた本では、養老の「読書術」は、とくにその前半がこのコラ                           ムに好適。丸谷の「日本語論」は本の作りそのものが、いま論じてい                           るテ-マ。笑っちゃたのは、サルトルについて、評論一流、ろ。劇作二                          流、小説三流、哲学四流というところ。丸谷はいろんなことをしていて、                         一流とか二流とか格づけする趣味はないのでそれぞれに楽しむことに                          しているが、なにより感心するのは宗匠としての腕。もっとも、活字に                            するには、編集の腕が大きい。高田宏や島森路子ぐらいになると表に                          出るが、普通は黒衣で、近松やシェ-クスピア以前の狂言作者。こち                          らはもう少し表に出してよい。これも若いころにやったことがあるが、白                          紙の原稿用紙を埋める倍ぐらい疲れるのだから。

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この一冊「地方出版に未来メッセ-ジが・・・」

2008-03-24 14:00:00 | 本と雑誌

地方出版に未来メッセ-ジが大きな力に                                           和田由美さん=亜璃西(ありす)社社長

だれが「本」を殺すのか だれが「本」を殺すのか
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2001-02

かれこれ7年くらい前の会社経営が一番つらい時期に、たまたま書                           店で、このタイトルが目にとまって、ペ-ジをめくってみたところ、中                              に亜璃西社」といううちの会社名が載っているじゃありませんか。驚                            きましたねえ。もっとも、すぐに買って、隅々まで読みましたけれど、                            載ったのはうちの会社名の四文字だけ。しかも、出版社の社名には                           読みにくい難しい名前が多すぎます、という苦言の中で取り上げられ                          た例の一つだったので、自慢にはなりません。それでも、一人前に                            認められたようでうれしかった。たとえどんな出方であろうとも、です。                           この本には、きちんとしたメッセ-ジで、地方出版には未来がある、と                          書いてあります。もはや中央思考で何かをつくる時代ではない、私は                           この本から大きな力をもらいました。その後も、この言葉を繰り返し自                           分に言い聞かせています。半面、厳しいことも書いてあります。日本                           では、およそ毎月二万点くらいの新刊が発行されているが、中身のな                          いどうでもいい本がおおすぎると。それが出版業界全体の「底下げ」                           原因になっていると。書店の多くは新刊を優先しているので、「駄本」                          が平台を占領してしまい、良い本であっても早々片隅に追いやられて                           しまうと。悪循環ですね。本を作る側の人間としても読書好きの一人と                          しても、この一冊はお薦めです。

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こどものほん<河田由美子・人と本を結ぶ会・ぼんぼん代表>

2008-03-18 15:00:00 | 本と雑誌

「幼児向き」

おはなしチャイルド 2月号 (2)
価格:¥ 350(税込)
発売日:2008-02

[ジェイとドゥのゆきあそび」                                                   片平直樹作 高島純 絵

雪がうれしくてしかたのない様子のお父さんペンギンのジェイ。寒が                           りの息子ペンギンのドゥも、どんどん巻き込まれてゆきます。ジェイが                           どうしても、おおきなかまくらをつくると言いはり、ドゥと雪を集めてい                           るうちに、ご近所さんの雪かきもするハメに・・・。雪かきが終わるころ                           にはジェイとドゥの家の前は雪の山。とびっきりおおきなかまくらがで                           きたことは言うまでもありません。そしてドゥは、作りたかった「あるも                           の」もちゃんと作りましたよ。なんだと思いますか?高畠さんの絵は、                          はりきっているお父さんの姿をいきいきと表現。はりきりすぎの一途                            さもおかしくて温かです。

だいすきひゃっかい (レインボーえほん 12) だいすきひゃっかい (レインボーえほん 12)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2007-07

いもうとのなみが眠ってしまい、はるなはおかあさんとふたりきり、おか                          あさんは「はやくねなさい」というけれど、ねむくなんかありません。「お                          ねえちゃんがさわいでいたらおかしいでしょ」といわれ、「ちがうもん。お                         ねえちゃんじゃないもん。はるなははるなだもん」と反論。そしてなぞな                          ぞをだします。「ねるまえに はるなが いくのは どこでしょう!」いろい                          ろ言ってみたけれど、とうとう答えられなかったおかあさんの「ばつ」とし                        て、はるながしてもらったことは?絵ものんびりしてあたたかく、1日の                          終わりに優しく満ちてゆく時間と表情を、細やかに描いています。

「低・中学年向き」

うえきばちです うえきばちです
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2007-09

ペ-ジをめくるとそこに、常識をくつがえすような思わぬ展開(絵)が現                          れ新鮮な驚きを体験することは、絵本の大きな魅力のひとつです。この                         作品も、そんな絵本ならではの表現効果が生かされて、抜群におもしろ                        い! 私の所属する「おはなしネットぼんぼん」の例会の時、「おはなし                         会でおすすめの絵本」として、メンバ-のひとりが読みきかせをしてくれ                         ました。「うえきばちがあったのでつちをいれて、○○○○○○をうえま                          した」。水をやり、めがでてはがでて、はながさきました。そして、さらに                         成長?をつづけ・・・とうとう・・!?どうなったのか、どうぞ絵本をみて(読ん                         で)ください。発想の妙味と余韻を残す終わり方で、不思議な感覚が尾                         をひきます。

彼岸花はきつねのかんざし (学研の新・創作シリーズ) 彼岸花はきつねのかんざし (学研の新・創作シリーズ)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2008-01

也子(かのこ)は四年生。家では大人たちが、きつねに化かされた話                           を折りに触れくりひろげています。ある日とうとう、也子も竹やぶで子ぎ                          つねに出会いましす。子ぎつねは、「あんた、わたしに化かされたい                          ?」とききました。也子はきっぱり断りますが、それからふたり(?)の                          実にかわいくほほ笑ましい交流がはじまります。遊ぶ風景も心の動き                         も、とても素朴に繊細に丁寧に描かれています。大人たちの会話も味                          わい深い広島弁でいきいきとして、引き込まれます。そんなかけがえ                          のない大切な日々を一瞬にして奪ったもの、それは・・・。作者は被爆                          二世。詩情豊かに子どもを描き、真摯に平和を伝えます。

「高学年以上」

Dear Little Moon きみに ありがとう Dear Little Moon きみに ありがとう
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2008-01-19

大切な人に贈りたい、メッセ-ジ絵本です。作者のアンドレ・ダ-ハンは、                        1987年に初めて「ぼくのともだち、おつきさま」という絵だけの絵本を出                         版しました。その後、「もうひとりのともだち」を出版し、その中で「おひさ                        ま」と「おほしさま」も仲間入りします。ダ-ハンの絵を通して伝わる「あた                        たかさ」と「よろこび」。認め合い、あるがままを受け入れている空気。きみ                        がすきというきらめき。この絵本には、きたやまようこさんが、「きみ」(お                         つきさま?)への親愛と感謝の言葉をシンプルに添えています。あなたに                        とっての「きみ」は誰(何?)ですか?

ボーイ・キルズ・マン (鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち) ボーイ・キルズ・マン (鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2007-05

12歳の少年が銃を持ち、雇われて人を殺す・・・。とても衝撃的なの内容                        です。この物語は、フィックションですが、コロンビアで実際に起ったできご                        とに基づいて書かれています。コロンビアは、コ-ヒ-やエメラルドなどの                        産出国として知られていますが、一方では、貧富の差が激しく、麻薬やゲ                        リラ、テロ、汚職など多くの問題を抱えているといいます。貧しく教育も十                        分に受けられず、虐待を受けるなど劣悪な環境に置かれる子どもたちが、                         「生きるために」闇の仕事に手を染めてゆくのです。目の前に見えなくても、                       現実に起きている世界の一部。子どもたちの慟哭と、大人の責任が胸に刻                          まれました。

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ブックカフェ「自殺からの救済急げ」

2008-03-05 16:50:00 | 本と雑誌

「男だったら、弱音は吐かない」「言い訳はしない」という美学が社会                           に行き渡っている。だがその言葉に忠実であろうと、必要以上に生                            活や仕事に追いつめられ、真実を語らぬまま死を選んでしまう人が                           後を絶たないという。

自殺遺児らが、同じような境遇の人たちを支える団体を立ち上げる                            までをつづった「ぼくの父さんは、自殺した。」(今西乃子著、そうえ                            ん社)

ぼくの父さんは、自殺した。―その一言を語れる今 (Soenshaグリーンブックス N 4) ぼくの父さんは、自殺した。―その一言を語れる今 (Soenshaグリーンブックス N 4)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2007-12

で、長崎県の山口和浩さんは「自殺は自己責任」「身勝手な死」「弱                           い者がするもの」という偏見に苦しめられたと、打ち明ける。しかし死                           の直前まで家業の心配をしていた父の姿を思い出し、「死にたくなか                           ったが、死なざるを得なかった」ととらえ直した。今西さんは「特別な                           人ではなく、同じ日常を生きている人たちがさまざまな社会問題に                            追いつめられ、生きる道を閉ざされている」との言葉も紹介する。                             少し前、知人が自殺を試みた。

自殺したい人に寄り添って (いのちを見つめる 2) 自殺したい人に寄り添って (いのちを見つめる 2)
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2007-12

「自殺したい人に寄り添って」(斉藤弘子著、三一書房)は、悩み苦しむ                         人には「つらい気持ちをきいて受け止める」「批判せず、励まさず耳を                           傾けて」と、呼びかける。彼は、思いを吐露できる相手もなく、一人苦し                          みを抱えていたのだろうか。                                                  警察庁によると、2006年の国内の自殺者数は三万二千人で、9年                           連続で三万人台の高止まり。「自己責任」という、一見説得力のある言                         葉が持つ冷たい側面に、心凍らせている人々の救済を急がなければな                         らない。(大口弘明)

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こだわり選書<マンガ>「評論家阿部 幸弘」

2008-02-27 12:57:00 | 本と雑誌

強烈な個性 日々スパ-ク

かむろば村へ 1 (1) (ビッグコミックススペシャル) かむろば村へ 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
価格:¥ 860(税込)
発売日:2007-12

あの「ほのぼの」の人間版か?と思いきや、ジャンルの枠にはまりき                           らない怪作、それが、いがらしみきおの新作「かむろば村へ」だ。都                           会の銀行で働きすぎて、“お金アレルギ-”になった男・高見が主人                          公。リストラされ「オカネなくなったら窒息死する」と思い詰めた彼は、                           お金を見るだけで嘔吐する“病気”になっている。「カネ一銭も使わな                           いで生きて行く」決心で“かむろば村”に引っ越したのはいいが、農                            業はもちろんド素人、村人たちもまた一筋縄で行かないキャラクタ-                           だらけで、果たしてこの男、生きていけるのかさえ不透明な毎日だ                           (それでも、カネ以外の何かが流通するこの村で、とにかく高見は生                           きている)。強烈な個性が日々出会いスパ-クするという意味では、                          「ほのぼの」との共通点もあるにはあるが、のほほんとした人情村を                           思い描いて読んだらヤケドする。むしろ、裏に何かの事情を抱えた人                           たちの優しさは、禍々しき凶事の前兆にも見え、それとも考えすぎに                           も思え、えたいの知れない迫力に満ちている。たとえるなら、日本の                           農村版「ツイン・ピ-クス」か。そのくらい変で新ジャンル。いがらしの                           描く人間の顔は、ヤバすぎなほど存在感がある。

大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス) 大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2007-12-20

話題作、よしながふみ「大奥」の三巻目が出た。かなり遅ればせな                            がら読んでみたら、なるわどこれは面白い。発想はもしかしたら単純                           だったのかも、とも思う。女だらけの大奥が、もしも男だらけだったら?                          -という“やおい”的お遊びでもよかったのだろうが、疾病によって男                           子が極端に減少した江戸時代としう設定を持ち込むことによって、一                           気に物語りに説得力のオ-ラが加わった。フィクションの遊びを楽し                           むとは、こうゆうことか。実際にはあり得なかった歴史の中で、さまざ                           まな個性が輝き出す。今後の展開が楽しみな作品が一つ増えた。

僕の小規模な生活 1 (1) (モーニングKC) 僕の小規模な生活 1 (1) (モーニングKC)
価格:¥ 780(税込)
発売日:2007-12-21

福満しげゆきの「僕の小規模な生活」は、いわゆるメジャ-・デビュ-                          作と言えようか。だがそのメジャ-と接触するこで生まれるさまざまな                          迷いや葛藤が題材になっているのが、業界を知らない読者としては興                          味深い。ちょい太めの奥さんキャラもかわいい。

ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS) ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS) (Fx COMICS)
価格:¥ 700(税込)
発売日:2007-12-18

沙村広明の「ブラッドハ-レ-の馬車」は・・・なんとも怖い作品だ。決                          してオススメはしない。沙村の描く容赦のない暴力性は戦慄を誘うけど                        も、現実世界はそれ以上であることを思い出すと、なんとも複雑な気分                         になる。

相原コージ実験ギャグ短編集 (アクションコミックス)
価格:¥ 860(税込)
発売日:2007-12-26

「相原コ-ジ実験ギャグ短編集」は、読めば読むほど作者の本来的な                           きまじめさがみえてきてしまう。そういう不器用なところも含めて好きな                          マンガ家なのだが、笑うというより感心したり・・・。ああ同世代。

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作者訪問「多田 文明さん」

2008-02-20 14:00:00 | 本と雑誌

悪徳商法 潜入ルポで紹介

ついていったら、だまされる (よりみちパン!セ 30) ついていったら、だまされる (よりみちパン!セ 30)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2007-11

振り込め詐欺や霊感商法・・・。怪しい手口に、人はなぜ引っ掛かる                           のか。フリ-ライタ-として、60を超える悪徳商法の現場に被害者                            の立場で侵入してきた著者が、だまされないコッを分かりやすく伝                            授した。執筆のペ-スとなったのは、2001年から1年半ほど雑誌                            連載した潜入ルポでの体験だ。「取材でお金を取られても、領収書も                           無く、ほぼ自腹。潜入すればするほど貧乏になるんですよ。月に10                           万以上出てったんじゃないかな」。いっぷう変わった過酷な体験を淡                           々と振り返る。街頭の無料手相占いで「あなたは転換期に来ている」                           と予言し、高額な印鑑販売につなげる商法や、女性のふりをするサク                          ラの存在で成り立つ出会い系サイト、詐欺まがいの芸能事務所。本                           書では、昔らの手法から最近のやりくちまで、業者のあの手この手の                           ノウハウを紹介する。異性間の感情を利用して商品を売りつけるデ-                           ト商法については、見知らぬ女性から電話がかかってきたにもかかわ                          らず、出身高校の話などで気分を盛り上げられ、つい彼女の勤務する                          宝石店へ足を運ぶ約束をてしまう心理を克明に描写。彼女が恋人未                           満の存在から、強引な業者に変わっていく様子を報告した。取材時は                          メモもテ-プも取らないが、情景は鮮明に覚えているという。「いろんな                          目線で振り返ります。ヤツのあの言葉はだますための布石だったなと                          か。その場では断るのに熱くなってて分からなくても、後から気付いた                          りします」行間からにじむのは、誰でもちょっとしたことで気がゆるんだ                          り、判断力を失ったりする場合があるという優しい目線だ。自身も就職                          活動で悩んでいたころ、新興宗教に誘われ、熱心さに濃淡はあっても                          数年間活動してしまった苦い経験がある。「家族ややめた人の力を借                          りて原体験はだまされた嫌な思い。こういうことが繰り返されてはいけ                          ない」旭川市生まれ。五歳のころ、父親の転勤で山形県へ。その後は                          仙台に移り、大学進学のため上京。在学中からドラマのエキストラ出                          演を続けており、現在はキャッチセ-ルス評論家として講演もしてい                          る。「雪の多いところで育って、我慢強くなったんじゃないかな。時に                           は何時間も緊張してやりとりしなければならない潜入の仕事に役立っ                          てます」。東京都在住。42歳。

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