たまり具合 感じ方に差=當瀬規嗣解説
幼稚園や小学校のころ、遊びに夢中になっておしっこを我慢して、慌ててトイレに駆け込んだ経験のある人はたくさんおられると思います。時には残念ながら間に合わなかったりして・・・。小学校の低学年のころ、授業中にトイレに行きたくなる児童が多かったので、担任の先生から「休み時間に必ずトイレに行くように」きついお達しがありました。おしっこしたくても、したくなくても必ず行けというのです。「したくないのに、出るわけないだろう」と思っていましたが、トイレに行くと少量ながら必ず出てきます。とても不思議に思っていました。大学で勉強してよく分かったのですが、人はおしっこを常に作っていて、それを少しずつ膀胱にためているのです。その量は大人なら1分間当たりおよそ1㏄。子供の体でも授業中に20~30㏄はたまる勘定なのです。もちろん水を多く取ればもっと増えるのですが、水分をとらなくてもおしっこはたまります。ところで、何かと頻回におしっこに行く人と、1日に数回しか行かない人がいます。これは1日のおしっこを作る量には大差がなく、1回当たりのおしっこの量に違いがあるためです。でも膀胱の大きさに差があるのではなく、膀胱でおしっこのたまり具合を感じる感度に個人差があるためのようです。ただ、膀胱に長い間おしっこをためるのは細菌に繁殖の機会を与え、膀胱炎にかかりやすくなります。やはり先生の教えに習い、こまめにトイレに行ったほうが良いようです。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)
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