心臓に生じる電気信号で=當瀬規嗣解説
生きている証である心臓の鼓動は、いつも規則正しく繰り返されて います。心臓の大きさは自分の拳の大きさにたとえられます。結構 大きな心臓全体が強調してポンプとして働き、血液を送り出していま す。このポンプ作用のために、心臓全体の動きの拍子をとるしくみが 必要です。それは心臓の細胞に生じる電気信号です。この電気信 号は、大静脈と右心房がつながっている部分に生じて、刺激伝導系 というしくみで心臓全体にたちまちのうちに広がっていきます。電気 信号が心臓全体に広がる様子は、体の表面に電極を取り付けること で観察できます。この記録を心電図と呼びます。この電気信号がそ れぞれの心臓の細胞に届くと、それをキッカケとして筋肉である心臓 の細胞は収縮します。こうして心臓が動き、鼓動として感じられるの です。つまり、心臓は電気信号で動くのです。動きによって電気が生 じるのではありません。心臓の鼓動が規則正しく繰り返されているの は電気信号が規則正しく生じて、生きるたびに心臓全体に速やかに 伝わっていくためです。ですから、心電図の波形は同じ形のものが 規則正しく繰り返し現れます。ところが、このリズムが狂ってしまい、 心臓の鼓動に乱れを生じることを不整脈と呼びます。リズムの乱れ だけでなく、規則正しくても、リズムが速すぎたり、遅すぎたりしても 人は動悸を感じ、息苦しくなるので、これらも不整脈として扱います。 このように心臓のはたらきは、、心臓の電気信号に左右されます。心 電図はとても重要な検査なのです。(とうせ・のりつぐ=札幌医大医 学部長)
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